第七章 C級フレイク杯

第七章 第一幕

 ――第七章 C級フレイク杯


 C級フレイク杯。

 C級、シャン=ルーゼンの年度最後のレースである。

 年度内の昇級を賭けた、C級鴻鵠達のラストチャンスでもあるこのレースの、注目度は高い。

 一周は約10キロ。

 リングの数は20。

 今年度は、10頭の鴻鵠で行われる。

 シャン=ルーゼンのリングの設定位置は、高さがレベル1からレベル5の5段階に分かれている。最も高いレベル5のリングが、地上約50メートル、最も低いレベル1のリングが、地上スレスレの位置となってる。

 本年度のC級フレイク杯のリングの位置を、順にさらっていこう。

 まずは20番リングの手前、レベル3の位置に、出走ゲートが構えられている。余談だが、レベル3のリングと同高度に、観客席が設けられている。

 スタート直後のすぐ上、レベル4の位置に最初の1番リングは存在する。

 2番から5番のリングが、レベル5の位置に連続して置かれており、2番リングの手前には、リングに向かって追い風となるように人口風力装置が備え付けられてある。

 5番リングの直後にも、風向きが真下に設定された人口風力装置が設置されている。その風に乗りながら下降し、レベル3の位置にある6番リング、レベル1の位置にある7番リングを順に潜っていく。

 7番リングで地上すれすれまで降りた後、少し上昇したレベル2に8番リング。8番リング直後には、右から横槍を入れるように備え付けられた人口風力装置が、進行の邪魔をする。

 風に流されずに上昇を続けて行くと、レベル3の位置に9番から11番のリングが連続で存在している。

 三連リングを潜った後は更に上昇し、レベル5に位置する12番、13番のリングを潜り抜ける。太陽に向け直進するように最高位まで上がると、13番リングの直後に、斜め下の向かい風を放つ人口風力装置が、選手たちの行く手を惑わす。

 その後、レベル4の14番リングを潜った後は、直滑降の如く鋭く下降し、レベル1の位置へと向かう。そこには、15番から18番までの4つのリングが続く。急な滑空はスピードの出し所だが、勢いが有り過ぎて地面に激突しないように注意が必要だ。

 再び地面すれすれを移動したら、少しずつ上昇しながら、レベル2の19番リング、レベル3の20番リングを潜り、見事一周となる。

 これを五周行い、五周目の20番リングを一番に潜り抜けた者がが、今年度最後のレース、C級フレイク杯を制する……。


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