サンタさんの破れたふくろ

空月 若葉

第1話 サンタさんの破れたふくろ

今夜は十二月二十四日。クリスマスイブです。

サンタさんは大忙し。今夜は、世界中の子供達にプレゼントを届けなければいけません。

サンタさんは何ヶ月も前から準備をしてきました。たくさんのプレゼントを作って、大勢の子供たちに届けるためです。世界中の子供達に届けるためには、たくさんのプレゼントが必要ですから、それはもう大変な準備でした。


さあ、もう出発する時間です。サンタさんは大量のおもちゃをふくろに詰め終わり、トナカイさんに頼みました。サンタさんの相棒のトナカイさんは、空を飛べる特殊なトナカイなんです。

「今夜はクリスマスイブだよ、トナカイくん。さあ、空からみんなに会いに行こう。」

トナカイさんはうなずいて、サンタさんがそりになったと同時に空へ飛び出しました。

シャリンシャリンと、そりに付いている鈴の音が鳴り始めました。

あれれ?変ですね。だんだんスピードが速くなっていませんか?おもちゃがたくさん乗っていて、重いはずなのに…。もしかして、軽くなってる?ということは、もしかして…。

サンタさんも皆さんと同じように、スピードが速くなっていることに気がついたようです。

サンタさんは慌てておもちゃが詰められている袋を振り返りました。

やっぱり!穴が空いています!

大変です!せっかく作ったおもちゃが、空を舞いながら落ちていきます。慌てて拾い集めるサンタさん。それでも、おもちゃの数が多すぎて…。拾い集めるには、長い長い時間がかかりそうです。 


と、いうわけで、今夜サンタさんが子供たちのもとに行くのには少し時間がかかりそうなんです。だから、プレゼントが届くのが遅くなっても、怒らないであげてくださいね?

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サンタさんの破れたふくろ 空月 若葉 @haruka0401

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