アレンジメント/シンポジウム
1
4人の出演者が演壇に座る。
出演者の前の机には、水のボトル、数冊の本、ノート、筆記具が並んでいる。
出演者は水を飲む、本をめくる、手を動かす、水をそそぐ、飲む、体をゆするといった動きを行う。
このとき、自分の身体と、机の上にあるもの以外は使ってはならない。
出演者のいる空間は、閉じていなければならない。
出演者は、適当なタイミングでしゃべらなくてはならない。
このとき、たがいに空気を読んではならない。
適当なタイミングでくしゃみとせきばらいをすること。
また随時、顔の筋肉を動かすこと。
このとき「おもしろい顔をしよう」などと考えることは禁止されている。
適切なタイミングがきたと判断したら、服の中に隠しもっていた秘密の持ち物を取り出し、使用する。
ただし、外部や観客と連絡をとるような行為は行ってはならない。
シンポジウムが終わったら、全員が立ち上がり、観客に向かって突撃する。
2
4人の観客が椅子に座る。
観客のイスには、パンフレットがおかれている。
観客は、まばたき、拍手、手足を組む、のばす、パンフレットを読む、メモをとる、といった動きを行う。
このとき、自分の身体と、イスに座っている状態から手が届く範囲のもの以外、使ってはならない。
観客のいる空間は、出演者に向かって開かれていなければならない。
観客は、適当なタイミングであいづちのようなひとりごとを発しなければならない。
このとき、たがいに空気を読んではならない。
適当なタイミングであくびをし、鼻をかみ、かすかに笑い声をあげること。
また随時、頭を前後または左右に、できるだけゆっくりと振ること。
このとき「眠ってはいけない」などと考えることは禁止されている。
適切なタイミングがきたと判断したら、出演者が使っている秘密の持ち物を、いかなる手段を使っても、奪い去る。
シンポジウムが終わったら、全員が立ち上がり、空間の外へ出る。
外は晴れている(晴れていなければ、いかなる手段を使っても、晴れにする)。
そして青空の下、全員で歩いていく。
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