鉄筋コンクリート Side B

本作品は、萩原朔太郎の散文詩「蟲」を左記のインストラクションにしたがって再構成したものであり、いわばこのインストラクションの仮想の上演例である。なお、「蟲」からそのまま引用した箇所、改変して引用した箇所ともに、旧字体を新字に変え、旧かなづかいは現代かなづかいへと変更した。



1 準備

原テキストを選択し、一文(散文詩)または一行(行分け詩)毎に連番を振る。それぞれを一単位とする。


2 役割

コンダクター 一名

スピーカー 三名~五名程度

コンダクターは原テキストの順番に沿って、あらかじめ決められたアクションのいずれかを行うよう、一人または複数のスピーカーに指示を出す。どのスピーカーにどの指示を出すか、タイミング、指示の順序はコンダクターが決定する。

スピーカーは原テキストを参照しながら、コンダクターの指示に従い、言葉を発する。


3 アクション

ここで決められたアクションは以下の8つである。

原テキストの一単位に関して

1 質問をする

2 質問に答える

3 該当テキスト中の任意の語句の表す事柄を、別の語句に言い換えて読む

4 該当テキスト中の任意の語句を同じテキスト中の任意の語句に置き換えて読む

5 歌う

さらに

6 自分の前のスピーカーの発した言葉を繰り返す

以上に加え、全体の指示として

7 停止。スピーカーは発語を停止する

8 移動。スピーカーは参照箇所を次の単位に移動する


4 指示

コンダクターはあらかじめ、1~8の指示を音声以外の方法でスピーカーに伝える方法を決めておかなければならない。そのために例えば次のようなサインを考案すること。またこれらのサインを組み合わせて使ってよい。

・番号を書いたカードを指示するスピーカーに見せる。

・指揮棒や腕、足などをいろいろなやり方で振る。

・指によるサイン(人差し指を立てる、グーで振りおろす、パーで頭を叩く、等々)

これらのサインは、コンダクターが行うことが物理的に可能で、かつ、スピーカーが指示を出されたとはっきり理解できるのであれば、どんな方法や手段を用いてもよい。

また、以上8つのアクションの他に、次の2つを意味するサインを決め、適当なタイミングで使ってもよい。

*1 スピーカーの話すスピードを決定するサイン

*2 ワイルドカード(ジョーカー)のサイン。これを出された場合、任意のスピーカーが、任意のアクションをとることができる。ワイルドカードが出せるのは、一上演につき二回まで。


5 全体のオープニングとクローズ

原テキストの最初から順番を変えずに始めること。ただし、どこでクローズするかは、コンダクターの裁量に任される。


6 仮想の上演例

SideAを参照。

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