女学校の眠り姫編

女学校の眠り姫 -1-

『私』はいつも1人だった。


 孤独かと問われると、その言葉が単に状態を表すのであれば、確かに『私』は孤独だったろう。


 だからといって寂しさの代名詞としてその言葉を用いるのであれば、それはふさわしくないと『私』は思うのだ。


『人』は1人では生きられないなんていうけれど、だからと言って1人で生きるのを諦めるのはなんだか違うと思う。


 また反対に差し伸べられた手を振り払うのも、それも随分と愚かしいことだと『私』は考える。


 そう。


『人』は1人では生きられない。


『誰か』の助けなしでは生きられない。


 なら『私』が誰かに助けられて生きるのは、当然のことなのだ。

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