第39話 カップラーメンで異世界の食糧問題を解決だ!(偏差値5)

 街の城壁は三日間のうちに完璧に修繕してある。防衛を担うのは猫仮面の戦士部隊である。彼らはボウケサーなる傭兵たちよりも遥かに強いのでシャルティエの街は安全だろう。万一は神殿にいる司祭たちも防衛に参加すると言っていた。神の子によれば彼女達の何人かは複製品の神の輪を背負っているとのことなので銀の魔槍と同じ事ができると考えていいだろう。

 先に出発したボウケサーなる傭兵団にやや遅れて砂漠を歩いていくと、砂漠の真ん中に人が複数倒れていた。


「戦闘があったんすかね?ボクの着てる装甲服はセンサーがたいしたことないんでよくわからないんすけど」


「人間の目視と変わらないカメラアイってもうセンサーて言わないよなカーマイン」


 医師であるアスクレビオスが遺体を確認する。どうやらボウケサーなる傭兵のようだ。遺体は完全に干からびている。そして外傷は一切なかった。


「彼らは全員傭兵。戦闘による外傷はなし。死因はおそらく全員極度の脱水症状による渇死と思われる。なんだ。鉄の悪魔どもの新兵器でも開発したのか」


「違うんじゃねーの?」


 アイザワは砂漠の真ん中でミイラ化した遺体が持っていたカップ麺の容器と皮袋を見せた。


「なんかこう。砂漠の真ん中でカップラーメン造って食って、水が無くなって死んだように見えるぜ?」


「バカなっ!!水の貴重な砂漠の真ん中で水を使わねければ調理ができないカップラーメンを食べるだとっ!!!そんなことがあるはずがないっ!!!彼らは我々と同じ地球から来た人間のはずだっ!!砂漠の真ん中でカップラーメンを造って水がなくなり、そのせいで喝死するなどという事などあり得ないっ!!!」


「こいつらがチキュウとかいう田舎村の出身者じゃないことを祈るぜ・・・」


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