第36話 治安の良い街並み
アイザワ達は街中で猫仮面の兵士達に連行されていく傭兵を目撃した。縄で縛られている。何か。凶悪な犯罪でもしたのであろうか?
「そいつら何かやったんですか?」
ちょっと聞いてみる。
「何かやったどころの話じゃない!こいつは凶悪犯だ!」
「ああ。この街で密輸を働いたんだ」
「密輸?武器ですか。麻薬ですか?」
「こいつらが密輸をしたのはな」
「密輸をしたのは?」
「木材だ」
「へっ?木材?」
実に意外な品目で、アイザワは驚く。
「この街では十キュビト以上の木材を取引する際は交易所での正式な手続きがいるんだ」
「うう~~なぜだ~~~。ただの木材じゃないか~~~。それを売っただけなのにどうして捕まるんだ~~~。それになんで俺が売ったってバレたんだ~~~~」
「市場で取引される木材にはすべて認めの焼き印が押してあるんだ!!お前の木材にはそれがなかった!!」
「さぁ!あの倉庫一杯の木材をどこから運んできたのか。詰所で時間をかけてしゃべってもらおうか!!」
「陸路か?船か?まさか空を飛んで運んだわけではあるまいっ!!!」
「ううう~~あいてむぼっくすでええええ・・・・」
「なにをわけのわからんことを言ってるんだ!まぁいい!!時間はたっぷりあるからなっ!!」
猫仮面の兵士は傭兵を蹴り飛ばした。木材が出てくる。
「こいつ!こんなに大きな木材を隠し持ってやがった!!」
「ふてぇやろうだなあ!!まだもってないか!!」
叩くと叩く。猫仮面兵士が叩く度に砂糖の瓶やら銃やら魔術の書籍やらが出るわ出るわ。
「なんてやつだ!まるで自分の体重よりもずっとたくさんの荷物を持って歩いているみたいじゃないか!!」
「ういいいいい!!!やめてくれえええええええ!!!!!」
猫仮面兵士は傭兵の足を持ってジャイアントスイングを始める。辺り一面に金貨やら食料品やら洋服やらが散らばっていく。
「たく。サンドラッサ何匹分なんだ?全部証拠品として押収するからな!!」
「かえしてくれよおおおおれのあいてむぼっくすのなかみいいいいいいいい」
「裁判が終わったら全部帰してやる!!だから取り調べには素直に応じるんだぞっ!!」
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