第20話 この文章をお読みの中で銃器製造企業にお勤めの方はいますか?
別室に移動したアイザワ達三人は引き続き猫仮面戦士と神の子の取り調べを受ける事になった。机が二つ。人数分の椅子。神の子はアイザワや猫仮面戦士達とは別の机に向かい、パピルスに『神様』とやらに提出する書類を書くらしい。
「ではお前達三人の名前であるが。アイザワ。アスクレビオス。カーマインで間違いないな?」
「間違いないです」
「出身地は?エクタバナか?エリデゥか?それともクテシフォオンか?いや海を越えてエリスから来たという線もあり得るか」
「地球でよくね?」
「そうだな。じゃあ地球でいいっすね」
「なんだ。またチキュウか。どこの辺境の田舎村か知らんか困った連中が多いからな」
「え?多い?」
「最近多いんだ。この街だけじゃなくてあちこちの国で剣技や魔力だけは並外れているのに常識だけは欠けている困った連中がな。もっともこの街でそういう輩がいれば我ら神の戦士が容赦がしないがな」
「どういうことだ?こんな未開の惑星に地球人がいるなんて?」
「あ。きっとあれっすよ。宇宙船のワープ事故で漂着した地球人がこの惑星に不時着したんじゃないですか?で、地元の人相手にライフル銃強盗でもしてるんですよ」
「あーそれで魔法か、ありうるな」
「すまない。そのチキュウから来た連中というのは我々と似た武器を持っていたりしなかったか?」
アスクレビオスが尋ねると。
「ああ。そう言えば持っていたな。この火縄銃でチートなんとかしてやるとか言っていたが。あんなもの銃口を見てどこに狙いをつけているのかわかるから撃つのを待ってから一撃で余裕だったぞ」
まぁ銃弾というのは限りがあるのだろうし一対一で近くに身を隠せるような建物でもあれば銃を持った相手でも勝てないことは不可能ではないかもしれない。
「かなり強いんだな。猫のおっさん」
「まずはお前達の職業を聞かせてもらおう。アスクレビオス。お前は医者だったな?」
手始めに猫仮面の戦士はアイザワ達の職業を聞いてきた。
「ああ」
「アイザワ。お前の職業は?」
「船の修理屋だ」
「その割にはノコギリもハンマーも持っていないように見えるが」
「あ、この人が棚に置いたの杭打ち機だったみたいですね」
「そうか。ありがとう神の子」
「あれ構造わかるのかよっ!!!?」
「アイザワ。この惑星の人間を舐め過ぎだぞ」
「それでカーマイン。お前は?」
「花火師じゃないですか」
「そうか。ありがとう神の子」
やっぱりミサイルがなんなのか理解してやがるな。この神の子って奴。アスクレビオスはそう思った。
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