第27話

「あなたは、そこにいた知人の平井凡太さんを無理やり連れて部屋ここへ急いだ」


「え、ああ…… 別に無理やりじゃないけど…… 頼んで、なァ~」

「平井さんは、真面目で実直な方なので証人には最適ってつけですモノねぇ」

「な…… 別に、そんな事で」


「妻がと言えば付いて来てくれるわよねェ……」

「ぬゥ…、何を言いたいンだ……!」


「あなたは怪我ケガしたとか言って、平井さんにドアの鍵を託した」


「く、実際、怪我はしてるさ……」

 確かに右手の指に包帯を巻いていた。

「この手じゃ、鍵は回せない……

 だから平井に頼んだンだ……

 何か文句があるのか❓」


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