佐野心音

やまかおる(以下かおる)「真中まっちゅー吹奏楽部員にー?」

花岡はなおか恵里菜えりな(以下恵里菜)「15の質問」


かおる「というわけで、今回が4回目。あたしたち以外の子に聞くのは2回目だね」

恵里菜「最初が見澤みさわくんなのは驚いたなあ。普通に考えて部長の中井田なかいださんだと思った」

かおる「だって主人公だし」

恵里菜「あ、それもそうだね」

かおる「それに文香ふみかったら、インタビューしようかなって時に限っていつもいなくなるんだよね」

恵里菜「結構神出鬼没なとこあるからねー……もしかしてインタビューされるの嫌がってる?」

かおる「いやいや、そんなまさか」

恵里菜「……(無言で最後の質問を指さし)」

かおる「……さて、今回はまさかの経験者! 期待の新星であるこの子にインタビュー!」

恵里菜「あっ! 都合が悪くなったから無視した!」


Q.1 フルネームと学年、ある人は役職


1年生、佐野さの心音ここねです!


かおる「というわけで心音ちゃんに来てもらいましたー! わー!」

恵里菜「見澤みさわくんの相手から連続だけど、大丈夫そうかな?」

心音「だいたいどんな感じなのかが分かった分、少しリラックスしてやっていけそうです!」

かおる「お、それは結構心強い!」


恵里菜「ちなみに名前の由来は……うん。本編タイトルかつ吹奏楽曲である『With Heart and Voice』から。Voiceは音じゃなくて声って意味だけど……細かいことは気にしないでください、とのこと」

かおる「タイトルが名前に密接に関わってるだなんて……うわー! 正ヒロイン一直線だね!」

心音「照れますって、かおる先輩!」

かおる「うおっ眩しい」

恵里菜「あと名字である佐野は、某小説サイトにて掲載・完結されていた超長編の某吹奏楽小説のメインキャラから。作者にとってすごく思い入れのある作品なのでオマージュさせて頂きました、とのことです。今ではなぜか番外編を残して本編が消えてしまっているみたいで、すごく残念ですが……」


Q.2 担当楽器


小学校三年生のときからアルトサックスをやってます!


恵里菜「小3からだって、すごいよね……」

心音「父さんから教えてもらって、ウチがハマったって感じです。だから大してすごいことはしてないですよ?」

恵里菜「ううん。続けてるってことがすごい。嫌になったことは?」

心音「んー……最初のころが一番大変でした。でも、吹けるようになってくるとすごく楽しくて。だから、嫌になんてなりません!」

かおる「眩しい……眩しすぎる……」


Q.3 誕生日と血液型


誕生日は7月2日。血液型はO型です!


かおる「えっと、7月2日は真ん中の日らしいよ」

心音「真ん中の日?」

かおる「なんでも、一年でちょうど真ん中の日らしいから」

心音「へー、それは初めて聞きました……」

恵里菜「将来は部活の中心になってるのかな、佐野さん」

心音「ウチ、あんまりそういうのは向いてないと思うんですけど……でも、将来何があるか分からないですからね、もしかしたらそうなっちゃってるかもです」

恵里菜「ふふっ、そっか。将来何があるか分からない、か……うん、そうだね」

かおる「恵里菜……?」

恵里菜「んーん、なんでもないなんでもない」


Q.4 身体的特徴(身長とか髪型とか色々)


・身長は150ギリ行かないくらいです。……もっと高くなりたい。

・髪型はショート! 小さいときからずっと気に入ってます!

・肌の色は白すぎず日焼け過ぎずって感じ。女子としては普通ってやつです。


かおる「小柄ですごく可愛いんだよねー、それでもって超純粋で眩しい」なでなで

心音「ふへぇ……」

恵里菜「佐野さんが手懐けられてる……」

かおる「何だか子犬みたい。持ち帰っていい?」

恵里菜「かおる、ハウス」

かおる「ワン!」

心音「……かおる先輩、恵里菜先輩にばっちり飼いならされてるなあ」


Q.5 一人称/三人称


自分のことは『ウチ』です。

相手のことは目上なら『名前+先輩』、同い年か年下なら名前呼び捨てです。


恵里菜「自分のことをウチって言う子って結構多い気がするんだよね。関西育ちじゃなくても」

心音「ウチと同じクラスでもいますよ?」

かおる「そういえば男の子でも名前で呼ぶの?」

心音「んー……まあ、その辺は人によりますね。悠斗ゆうとは幼馴染だからもうその呼び方で定着してるし、他にも何かウチ的に名前呼びの方がしっくりくるなーって男の子もいますし」

かおる「なるほど、ケースバイケースってやつか。分からなくもない」


Q.6 自分の性格を一言で


まっすぐな性格だと思います。あと、割とドジな面もあったり……。


恵里菜「佐野さん、よく転ぶよね……大丈夫なの?」

心音「大丈夫ですよ。何せ転びのベテランですから」

恵里菜「……で、でも気を付けた方がいいよ?」

心音「分かってます分かってます」

恵里菜「これ絶対わかってないやつだ」


Q.7 趣味/特技


趣味も特技もアルトサックス!


かおる「だと思った」

心音「なんてったって、ウチの人生の一部ですから!」

恵里菜「高校に入っても?」

心音「大学に入っても、社会人になっても、おばあちゃんになってもずっと吹いてますよ!」

かおる「眩しい……っ!」


恵里菜「ちなみに、音が出せない場所とかは何してるの?」

心音「スマホでアプリゲームやったり、ちょっと疲れてたらお昼寝したり、かなあ……」

恵里菜「お昼寝するんだね、佐野さんって」


Q.8 好きなもの


ハンバーグ! デミグラスソースのが一番好きです!

教科は……んー、しいて言えば、国語、かなあ……。


恵里菜「……勉強、あまりお好きでない?」

心音「はい」

かおる「分かる」

恵里菜「かおるは今年受験生だからねー?」

かおる「嫌だー! 私はまだ中学二年生だー!!」

恵里菜「駄々こねないの。というかかおる、頭いいでしょ……」


心音「仲いいなあ、先輩たち」


Q.9 嫌いなもの


虫が苦手です! ハンバーグの付け合わせの人参も苦手です!

教科は数学がダメです!!


心音「というか国語以外あんまり得意じゃないです!」キリッ

恵里菜「それ、自慢できることじゃないから……」

かおる「おー! さっすがー!」

恵里菜「かおる、そこ褒めるとこじゃない」

心音「ありがとうございますかおる先輩!」

恵里菜「佐野さんは素直に受け取らない! ……何か疲れるぞこの二人……」


Q.10 好きな曲


『宝島』です。やっぱりサックスカッコいいですからね。


恵里菜「……あれ? 『With Heart and Voice』じゃないの?」

心音「それとこれとは話が違うのです。……まあ、特別な曲ではあるんですけど」

恵里菜「特別な曲?」

心音「はい。何かよく分からないんですけど、身体が、DNAが覚えてるって感じの曲で」

恵里菜「……うん?」

かおる「わかる」

恵里菜「……んんん?」


Q.11 特別仲がいい人


幼馴染の悠斗は中学校で久しぶりに会ったけど、やっぱりありのままの自分でいられる感じがします。

あとはフルートの夢佳ゆめかとも仲良しです!

ほかにもサックスパートの皆さんとも仲がいいですし、部活外にも仲良しはいますよ?


かおる「さすが心音ちゃん、周りに人集まるんだね」

心音「かおる先輩だってそうじゃないですか」

恵里菜「二人とも眩しいなあ……」


Q.12 家族構成


父、母、そして三歳の妹がいます。


心音「お父さんは高校で吹奏楽部の顧問やってるんです。ちょっと驚いたんですけど、実は長谷川先生の高校時代の先輩らしいんですよ?」

かおる「え、ウソ!? すごいじゃん!」

心音「あ、一緒に在籍してたわけじゃないみたいなんです。でも、ウチのお父さんOBになってからも高校の吹奏楽部にちょくちょく顔出してて、楽器も同じだった長谷川先生とは結構話をしたり練習を見てたらしいんですよね」

恵里菜「へー、そうなんだ……何だか運命って感じするね」

心音「ですよね! それにお母さんも昔吹奏楽部でトランペットやってるんですよ?」

恵里菜「音楽一家だ……そりゃあ佐野さんが音楽が好きでサックスが上手いのもうなずけるよ」


恵里菜「あ、あと気になるのは三歳の妹。だいぶ歳が離れてるよね?」

心音「はい。でもすっごく可愛いんですよ?」

かおる「いいなあ、会ってみたい!」

恵里菜「泣かせないようにねー?」


Q.13 座右の銘


『一撃必殺』!!


恵里菜「ええ……?」

かおる「豪快だねー、心音ちゃん!」

心音「やっぱり敵を沈めるには手数は少ない方がいいじゃないですか!」

恵里菜「むしろサックスって連符多い気がするんだけど……」


Q.14 好きなタイプ


え、ええっと……やっぱり、優しい人が好きかなあ……。

あと包容力がある人。甘えたいときに甘えさせてもらえるような、そんな人が好きかもです。


かおる「見澤くんとか?」

恵里菜「ちょっとかおる突っ込みすぎ……!」

心音「悠斗は『無い』ですね」

かおる・恵里菜「「えっ」」

心音「だって悠斗は幼馴染ですし。何というか、悠斗と付き合うのは何か違うと思うんですよね」

かおる「……何というか、見澤くん可哀そうだね」

恵里菜「う、うん……」


心音「あ、でも」

かおる「お?」

心音「……悠斗を取られるのは嫌かも、しれないです……」

恵里菜「!!」

かおる「ほほう……?」

心音「……っ、もう、かおる先輩! ニヤニヤしないでくださーいっ!! あくまでも悠斗とは『無い』ですからー!!」


恵里菜「……何か二人とも似たようなこと言ってたね、結局」

かおる「だねー。やっぱり、くっつくべきだよ、見澤くんと心音ちゃんは」

恵里菜「うん。付け入るスキはないよね」


Q.15 好きな人に告白してください。


かおる「今回のお相手は……まあ、当たり前だよね」

見澤悠斗ゆうと(以下悠斗)「…………」

心音「悠斗が死んでる」

恵里菜「……ま、まあ見澤くんの気持ちは分からなくもない、よ」

かおる「でも、男子一人で吹奏楽部に入るということはこういうことだからね」

悠斗「うっ……なぜか何も言い返せない理不尽」


かおる「という訳で、心音ちゃん」

心音「はいっ」

かおる「見澤くんを好きな人だと思って、告白してみてください!」

心音「……や、やって、みます……!」

恵里菜「あれ、案外すんなり受け入れた。嫌だったらいいんだよ、拒否しても」

心音「だって悠斗に結構凄いのやられたから……やり返してあげないと、でしょう?」

かおる「おー、気合入ってる……! これは期待大ですよー!?」

恵里菜「頑張ってね、佐野さん!」

心音「はい、恵里菜先輩! 行ってきます!」


Q.15 好きな人に告白してください。※悠斗視点


『大事な話がある』


 いつもとは違う真剣な表情をした心音にそう言われて、連れられてきたのは心音の家だった。心音のお母さんは僕のことを歓迎してくれたが……。


「何で今になって突然、心音の家に……」


 僕と心音は幼馴染の間柄。確かに昔、心音の家で遊んだ記憶はある。けれども、中学生の今になって、こうして心音の家、心音の部屋に上がることなど思いもしなかった。


「大事な話がある、って言わなかった?」


 今日の心音、何かが違う。

 いつもよりも女子らしい……というか、まとっている雰囲気が柔らかい、というか。それに加えて……何かの決意、シリアスさもまとっていて。

 それが、僕に否応なしに緊張感を与えてきた。


「そっか。……それで、その大事な話って」


 僕がそう話を振ったのがスイッチだったのだろうか。

 心音がいきなり僕に抱き着いてきた。抱き着いて、僕の腰に腕をきつく巻きつけ、身体をぐっとくっつけてくる。


 ……何が、起こってる?


「……大事な話、っていうのは嘘なのか?」

「ホント。でも……ウチの想っていることは、言葉じゃ全部伝わらないから。だから……」

「っ……」


 確かに……これなら本当に、心音の伝えたいことが伝わってしまう。実際伝わってしまった。心音の言わんとすることが。

 そして、このことが……ただの幼馴染止まりだった僕らを、一気に別のものに作り替えてしまうということも分かってしまった。


 僕に身体を押し付けてくる心音。震えている。本当は、怖いのだろうか。


「悠斗。……もう、分かるよね」

「うん」


 僕は静かにうなずく。安心させる意味で、僕は心音を抱きしめ返した。


「ホントは幼馴染の関係を続けても良かったんだけど、ウチ……我慢できなくなっちゃった」


 心音は顔を上げて、僕を真っ直ぐ見つめてきた。真っ赤に染めた顔に、屈託のない笑顔。


「好きです。ウチは、悠斗のことが……大好きです」



--※--



かおる・恵里菜「ひゃーっ!!」

心音「終わり! はい終わり! もう無理無理無理無理ーっ!!」

悠斗「心音さん本気出しすぎだってホントに。蒸発するかと思った」

かおる「すごかったねー! 言葉より先に行動なんだ、心音ちゃん! よっ! 大胆!」

心音「だってだってだってだってー! ウチに難しいことは出来ませんからーっ!」

かおる「ねえ見澤くん! 心音ちゃんのカラダ、どうだった?」

悠斗「ええっ!?」

恵里菜「後輩にセクハラすな!」バシーン

かおる「あいてっ!?」


恵里菜「でも、怖がっているのを察して抱きしめ返してくれる見澤くんも中々にポイント高かったと思うな」

悠斗「それは、その……まあ、分かるじゃないですか……こうしなきゃな、っていうのが」

恵里菜「素敵だったよ、見澤くん。佐野さんが惚れるのも納得だよ」

心音「勘違いしないでくださいよ!? さっきのウチはいわゆる特別仕様のウチで、実際は悠斗のことを全然何とも思っておりません!」

恵里菜「ご、ごめんね……?」

悠斗「………………………」

恵里菜「見澤くんもごめんね!?」


かおる「というわけで、心音ちゃんへの15の質問でした!」

心音「何だか色々あったけど、先輩たちも面白かったので楽しかったですよ!」

恵里菜「あはは、ありがとね? 見澤くんもご協力ありがとうございました」

悠斗「いえいえ……あー、そっか、そっか……」

恵里菜「……見澤くん、めちゃめちゃ凹んでる」

心音「悠斗ごめん。さっきは言い過ぎたかも……」

悠斗「あー、うん。気にしないで……」


かおる「さて、次回はー……フルートの越阪部おさかべ夢佳ゆめかちゃんを予定しております!」

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