第6話 最後の恋

 -彼と初めて会ったとき、運命すら感じた。

 そう言ったらとても大袈裟なことかもしれないけれど。甘い吐息、零れおちる冷たくしたたかな汗。彼を見上げるといつもそこには笑顔があって、それを見ると私は安心した。-この恋ならば永遠を信じられる。と。

 

 けれども、別れはふたりが愛し合い駆け抜けた日々のごとく突如訪れた。


 お互いに他にすきなひとが出来てしまったわけでも、愛情が薄れたわけでもないのに、あえて言うのならば、あまりにも猛スピードで駆け抜けた私たちの愛情は歯車を狂わせ、見失ってしまった。


 私たちは森の中をさまよう、小動物のようにくっついていたけれど、それでも寂しさは募るばかりで隠せなかった。このふたりで過ごした孤独で長い夜に察したのでしょう。-この愛は永遠ではない。と。


 -初めて彼と会ったとき、運命すら感じた。そう言ったらとても大袈裟なことになるけれど、甘い吐息、零れおちるしたたかな汗、彼を見上げるといつも笑顔があった。その笑顔を見る度に、これが最後の恋だと思った。

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