・・

 高校は私服。


 そのために中学の時に死ぬほど勉強をした。


 おかげで毎日気分の上がる服で登校している。そうじゃないと清野いちごはとっくに学校行かなくなってる。


 校門をくぐる前に目当ての後姿を発見して、スマホで前髪を最終調整。かわいいかわいい。


 一度息をついて、雲一つない空を見て心を冷静に。頑張って。


 速足で近づいて肩を軽く叩く。気のいい女友達を演出。


「おっはよー! 猫背になってるぞ!」

「元気だなぁいちごは」

「ちゃんと寝てるし」

「いやだってよ、あれやってたら寝れないって」

「睡眠は犠牲にできないわー」


 ゲームの話。楽しい話。彼に教えてもらうまでやってなかったけれど、今ではすっかりはまってる。


 面白くて、共通の話題にもなる。一石二鳥ってやつだ。


 校舎の中に入って、教室について、先生が来るまでずっと話が続いて、今日はラッキーだったね。

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