第9話 下着姿という格好でいる私Ⅰ

私は今、メイドである胡桃のせいで下着姿という格好でいるのですが、

どうして下着姿かというと、胡桃がすべての衣服を持ち出していって

しまっているので困っている。


早いお話は悪戯をされたという事になるんですけど、こんな悪戯は

許しておくわけにはいかないし、さっさと胡桃を探しに行って

捕まえてお仕置きしたいくらいです。


「さぁ、胡桃を探しに行こうかしらね」


私は自室から出ると胡桃を探しにいくわけですけど、まずは何処を

探そうかを検討致します。


「最初は食堂にでも行こうかしらね」


私は食堂に移動すると誰も居ません。


食堂はハズレのようで残念ですが、次の所を探そうとしている時、

胡桃らしき人物を見つけると私は急いで走って追いかけます。


走って追いかけているのはいいですけれど、何かを踏んでしまって

尻餅をついてしまうのです。


踏んだ物を見るとバナナの皮でこんなものを誰か置いたかと気に

していると、バナナの皮を置いた張本人で登場するのです。


「香奈お嬢様って意外と鈍いのですね」


私は立ち上がると、胡桃の事を睨みつけながらこう言います。


「胡桃ね、衣服を返しなさいよ!!」


「衣服? 嫌ですっ、返しません」


「どうしてなのよ」


「私にとって香奈お嬢様は悪戯の対象ですしね」


「なっ、なっ、なんて事を言うのですか」


「私と恋愛をしたい香奈お嬢様はどうでもいいですけどね」


「本人を目の前にしてよく心に傷つくような事が言えますね」


「そんなの知りません」


胡桃ってば、こんなひどい人には見えなかったのにどうして

こんな風になかったかは知りませんが、どうにかして元の

胡桃に戻す必要性があるようね。


「香奈お嬢様、それでは失礼させて頂きます」


胡桃はそう言うと、私の前から何処かへと行ってしまって

私はその場で茫然と立ち尽くしているのです。


この下着姿のままでは何も出来ないし、本当に恥ずかしい限りで

胡桃に頼んでどうにかしてもらわないといけないようね。

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