第7話 胡桃が変貌する瞬間

私と胡桃は両想いで先程までキスしていたのですが、

その胡桃の様子がおかしいという感じがわかるのです。


「香奈お嬢様、何で私はキスしていたのでしょうか?」


「それはね、私と胡桃は両想いで恋人というか、

大好き以上の関係になっているの」


「あははははっ、面白い事を言うのね。そんなわけある

わけないでしょ」


「どうしてそんな事を言うの、胡桃」


「私と香奈お嬢様が大好き以上の関係ってあるわけないし、

そんなのは認めません」


「ねぇ、どうしちゃったの?」


「もう私には近づかないで下さい」


「嫌です、そんなのは認めません」


「そうですか、私がここから出て行きますね」


「どうしてそうなるのよ、お願いやめて」


胡桃はこのお部屋から出ようとしているのですが、

私は後ろから抱きついて止めようとしているのです。


「香奈お嬢様、離れて下さい」


「嫌、嫌よ、離れません」


私は抱きついていても離れるような事は致しません。


理由は胡桃の事が大好きで大好きで堪らないのに

それに両想いなので関係を壊したくないです。


「香奈お嬢様、離れてくれないとお部屋から出れないので

離れて下さい」


「絶対にイヤです」


そうしていると胡桃は強引に私の事を引き離そうとしていますけど、

なかなか離れさせる事が出来ずにいると胡桃はある事をしてくるのです。


「香奈お嬢様、離れないと嫌いになります」


「えっ、それは困るの」


私は後ろから胡桃の事を抱きしめていましたが、胡桃に嫌いになりますと

言われたせいか、しょうがないので離れると胡桃は走ってこのお部屋から

出て行ってしまったのです。


このお部屋に取り残された私は一人で立ち尽くしていると、悲しい思いに

なってきて目に涙を浮かべてとうとう泣き出してしまうのです。


「どうしてこんなふうになってしまうのでしょうか、私にはぜんぜん

わかりません」


私は泣きながら胡桃の事を考えていると、どうしてあんなふうになって

しまったのかが良くわからないし、せめて理由くらいは教えて欲しいと

思いました。


しかし、それも今は無理な事なのでどうすることも出来ません。


胡桃の事を追いかけて行きたいのはあるのですけれど、今から追いかけても

追いつく事はできないと思うので諦める事に致します。


私はこのお部屋から出て自室へ戻る事に致します。


自室に戻った私は特にすることもなくて静かに過ごしているのですが、

本当に虚しいのでなんともやるせない気持ちです。


このまま私はどうなってしまうのでしょうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る