番外編 私は日常を謳歌する

 「...お、おはよう?」

 「...」

 「起きてるよね?目瞑ってるけど尻尾がくっついて来てるよ?」

 「...ばれた?...」

 「今日も仕事は?」

 「...休み...」


 ミツキが横で寝ているだけで幸せなのを毎日噛みしめているけど結婚してからミツキが仕事に行くのを全然見なくなってしまった まぁ仕事をしてないのはお互い様なんだけど

 私はお金があるからいいけど最近家から出てすらいない... 買い物とかもせずただぐうたらしている 食事に関しても空間魔法にあるストックを沢山食べてぐうたらを満喫している


 「...マルガ?...」

 「ん?なーに?」

 「...そろそろ運動しようか...」

 「お腹を掴むなっ...ほ、本気を出せばすぐ痩せるから...」

 「...本当に?...じゃあちょっと本気を出してみて?...」


 足を絡めてきてどんどんくっついてくる 頭ぐらいにミツキの胸が思いっきり乗っかってくるんだけどもしかして見せつけてるのかな まぁ結婚して時間もたてば慣れる物ですけどね だからお腹を揉むなっ


 「ちょっと?朝からイチャイチャしないでちょうだい?ご飯が砂糖より甘くなってしまうわ」

 「リーア...助けて欲しいんだけど?」

 「最近のマルガは堕落しすぎているから運動するぐらいがちょうどいいわ、元々旅をしている時も魔法でしか動いてない様な子だったもの」

 「うぐ...私の逃げ道のクルクは...」

 「クルクなら二日前ぐらいに遊びに行って帰ってきてないわよ」


 最後の逃げ道も消えてしまった こうなったら私は徹底的に抵抗しようかな ありとあらゆる魔法を使って運動を拒否すればなんとかなる...よね?


 「...」

 「ミツキ?...ちょっと?...」


 無言で見つめてると思ったらどんどん足を絡めてきた 抱きしめながら足を絡めて...動けないんだけど? 


 「...運動しないなら...このぐうたら具合をドロシーとメリーに見せようかな...」

 「別に何も言われないと思うけど...?」

 「...そう...じゃあ強硬手段で運動しようか..」


 そういいながらお腹を揉んでる手がどんどん上に上がっていった あっ、ちょっと待って、まだ夜じゃないしリーアとか見てるし だめ、だめだから あっ


      ◆◇◆◇


 「ひどい目にあった...」

 「...いい汗かかせた...やっとベッドから出せたし..」

 「イチャイチャしないでさっさとご飯を食べなさい、冷めるわよ?」

 「見てないで止めてよ...」


 いきなり目の前でイチャイチャしてたら止められるものだと思ったけどリーアはわざと止めないでずっと見ていた どんな羞恥プレイかと思ったけどミツキもミツキでどんどんエスカレートするし... さっきの事だけど思い出したら顔が熱くなってきた 早く記憶から抹消しないと

 記憶を消そうとうんうん唸っていると空いているドアからいい匂いが流れてきて自分のお腹から可愛い音が流れてしまった メリーが美味しい物を作ったみたいだ 早く食べないと...!


      ◆◇◆◇


 久しぶりにちゃんとご飯を食べたけど美味しかった たまにはちゃんとしたご飯を皆と食べるのも悪くない 美味しいご飯も食べた事だしまた眠ろうかな と思いながら部屋に向かうとミツキに肩を掴まれてしまった


 「...何処に行く気?...」

 「え?部屋だけど...」

 「...続きがしたいならいいのだけど...」

 「違うよ!?眠りに行くんだよ!?」

 「...ダイエット始めるよ...ちょっとむにむにのマルガも好きだけど...不健康だから...ね?」

 「えっ、ちょっと...無理だから、今から運動とか無理だからっ...」


 ミツキに無理やり着替えさせられて外に出る事になった 何日ぶりの外なんだろう、久しぶりに私の店、もとい今はブリザのお店に行ってみたいな、和食...食べたいなぁ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る