私はお話を聞く!

 「今戻った」

 「ただいま、ミツキの様子はどう?」

 「元気になったよ、明日から動いてもよさそうだね」

 「...迷惑かけた...ごめん...」

 「大丈夫大丈夫」


 明日から...どうしようか...ホルマは観光したり勉強したいけど正直今の段階でミツキの事を見ないっていう状態は怖すぎる、あの巫女が何をするか分からないから...リーアに相談して監視して貰う?それとも神様達に聞きに行く...色々ありだけど取り合えず目を離すのだけは怖い...うーん...うーん...リーアに相談しよう


 「リーア?ちょっといい?」

 「いいわよ、どうしたの?」

 「...私は買ってきた物をちょっと見ようかな...」

 「いや、病人は大人しくしといてくれ、私が片付ける」


       ◆◇◆◇


 「それでどうしたの?」

 「リーアって...うーん...精神体とか詳しい?」

 「あんまりね、ちょっと知識として知っている程度かしら」

 「...他人に体を乗っ取られるってありえる?」

 「...無いとはいいがたいわね、人格を完全に乗っ取るのと寄生じゃ意味が違うけど」

 「もし対処するならどうしたらいい?」

 「やけに積極的ね、知り合いが変な人にでもなったの?」

 「実は...」


 私はミツキの体が本人の意思とは別の意思で動いていた事を話す、乗っ取った正体は邪神から生まれた九尾って事も...リーアなら何か知ってるかもしれない、妖精だし...


 「それは...ちょっと事態が変わって来るわね」

 「つまり?」

 「今の状態は寄生...つまり普通ならミツキの方に主導権があるはずなのよ...でも聞いた話だったら主導権は九尾でしょ?」

 「うんうん」

 「つまり九尾は何かしらの新しい方法を使ったか...ミツキが体を使うことを許容した可能性があるわね」

 「...ミツキに直接聞こうかな...」

 「それが一番だけど...素直に教えてくれるかしらね」


 素直に教えて貰えないのは...まぁ辛いけどそこはもうミツキを信頼するしか無いよね? 私に出来る事はミツキに話を聞いてミツキが言うことを素直に聞くしかないよね 心を読んだりできるなら別だろうけど私には出来ない そういう魔法がもしかしたらあるかもしれないけど心を読むってどうなんだろうね?


       ◆◇◆◇


 ミツキは結局ベッドの上で横になっていた 本人としては動いて何かしたそうだったけどブリザは宥めて止めていた、一応まだ病み上がりだったから大人しくしてほしいけど...出来れば今日はそのまま寝て明日から頑張ってもらいたい という訳で聞きに行こう 


 「ミツキ?ちょっと相談いい?」

 「...全然いいよ?なんでも聞いて...因みに子供は二人欲しい...」

 「寝てる時に変な夢でも見たのかな?...聞きたいのは寝てる時に夢の中で誰かに会った?」

 「.........会ってないよ...」

 「もしかしてミツキも嘘が下手?」

 「......会ってない...」

 「言えないって事?」

 「...会ってない...」

 「そう...」

 「......」

 「じゃあ...えーと...」

 「だめよ柊ちゃん、私の事を聞こうとするのは」


 いきなりミツキの口調が変わるのは心臓に悪い、目つきも変わるし感じる魔力も変わる 色々変わるけど姿は結局ミツキだから...しかも直前まで喋っていたし余計にね...


 「どんな契約をしたの?」

 「内緒よ、ただ無理やり契約はしてないわよ?」

 「...ぐ...」


 内容を聞き出せればいいんだけど...無理っぽい、ミツキもしゃべる予定は無かったし...どうしよう...何処で目的が一致したら体を明け渡すって言う判断になるんだ...それとも邪神から生まれたって知らない? 考えれば考える程に分からなくなってしまう


 「...そうねぇ、ヒント無しだと可哀想だから...この子はマルガちゃんに関する事で契約したわよ?」

 「え?」

 「...言い過ぎもよくないけどね?」

 「...なおさら分からない...」

 「考えてみるといいわよ、ミツキが何を望んでいるのか」


 分からない、ミツキが何を望んでるのか...

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