私は看護する!②
ミツキが病気にかかって二日が経過した...予定だと一週間とか滞在したら次の目的地を決めるんだけどトラブル続きで全然進捗が無い、ドラゴンは居るし神様には招待されるし九尾には拉致されるし...ミツキが病気にかかっちゃったから元気になるまで何もできないしね?
ミツキの容体は熱が出た初日は熱で朦朧としていたみたいだけど二日目は落ち着いたみたいだった 意識もあるし食欲もあるし簡単に治るかなって思ったんだけど...三日目、つまり今日になってまた意識が朦朧としている時がある それに時々魔力が暴走というか...制御が効いてない時があるんだよね、リーアもブリザも知らない症状と言ってたし...うぐぐ...私にもっと知識があったら魔法で治せたのに、歯がゆい
「...ん...私どれくらい...寝てた?...」
「大丈夫?寝ていたのは昨日の夜からだよ、今はお昼だね」
「...ごめんね?...」
「謝らないでよ...病気はしょうがないよ、だからちょっとでもいいからちゃんと食べて早く治せば大丈夫だからっ」
「...そうする...」
実際辛そうだ...うーん...何かできる事は無いかな... 氷枕でも作っておこうかな、ちょっとでも熱を逃がせたら楽になるでしょ...多分
◆◇◆◇
またミツキは寝てしまった、ただ今度は呼吸をゆっくりだし汗もかいてない...おでこをこっそり触った感じもそんなに熱っぽく無かったから治ったかも まだ安心はできないから隣には居るけど...うん、寝苦しい感じも無いし顔色もよさそう 少しだけ、ちょっとだけ安心だ
「...今のうちに買出しに行こうかな...?」
「何か必要なったのあったかしら?」
「うーん...色々?」
「そう?」
「それだったら私が行こう、マルガはミツキの看護でもしているといい」
「...じゃあお言葉に甘えて、買ってほしいメモ渡しておくね」
「念のため私も行こうかしら...」
リーアも行くなら安心だ、何かあったら二人とも呼ぶ事も出来るしリーアが居るなら一瞬でこっちに戻ってこれるだろう おつかいを任せて私はミツキの看護をしておこう なるほど...ドラゴンはおつかいに使える事が出来る、なんて贅沢な使い方だろう、世界で私だけじゃないかな?
◆◇◆◇
「...ん...」
「あ、起きた...熱は下がったみたいだけど体調はどう?」
「...」
ミツキが自分の体を見たり動かしたり、まるで調子を確かめる様に体を動かしている どうしたんだろう 何か違和感でもあるのかな...うーん?
「...調子はよさそうだよ?」
「...ん?」
「どうしたの?」
何だろう、喋り方に違和感を感じる...ちょっと違うというか...
「...ふふ...どうしたの?
「!?」
どうしてミツキからその名前が出てくるの?その名前を知ってるのはこの世界だったらあの九尾と私だけのはず...!?九尾が言いふらした?にしては確信を持ってるような口調だけど...どういう事?
「困惑してるわね...ふふ」
「...もしかして...」
一つだけ、一つだけ考えれる可能性...ずっと心に引っかかっていた可能性...あの九尾は体を借りると言ってきた それはつまり今の九尾は精神体って事だから...体を乗っ取れるって事、そしてミツキは狐、九尾も狐だったから...相性がいい? その可能性が無い訳じゃない...やっぱりちゃんと伝えるべきだった? 今更言っても遅いけど
もし、もし完全に乗っ取られている場合、私はどうしたらいいんだろう... どうやって精神体だけを攻撃できるんだろう そしてミツキの体を乗っ取ってこいつは何をしようとしているんだろう
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