私は説得をする!③

 「では行くぞ、どうかすぐに終わらないでくれ」

 「...善処する...」


 そういうと竜は立ち上がった 完全に私と戦う事事態が違う気がするけど...私なんて足の爪ぐらいしかないよ? でも多分だけどこの竜は私に対しても本気でやるんだろう 私も舐めてかかったら瞬殺確定だ、死ぬのは嫌だから頑張らないと


 「ふっ!」

 「わっ!?...このっ..えい!」


 竜が思いっきり手を降ろして私が居る方向を狙ってくる 吹雪とか使ってるくらいだから魔法を気にしてたら思いっきり物理攻撃で来た どっちかっていうと魔法を使うまでも無いって思われているのか...それとも吹雪しか使えないのか

 こういう戦闘で楽観的に考えて後で痛い目を見るよりは深く考えていた方が後々楽になるからね だから相手は魔法を抑えているって考えておこう


 最初は振り下ろした手を避ける、この時に無詠唱で魔法をぶつけるが竜はまるで何もなかったかのようだ もっと強い威力か属性を付けないとだめなのかな 安直なのは氷に対してだから...炎? でも試してみる価値はある 最近パクった魔法でなんだっけ...インフェルノ?使ってみよう


 「...『インフェルノ』」

 「む?これは火属性の魔法か?竜に対して魔法は通じんぞ?」

 「そうなの!?」

 「うむ、だから今みたいに魔力だけを使うかそもそも物理攻撃以外は通じんぞ、まぁ魔力に対しても耐性があるし鱗も硬いからどちらもおすすめしないがな」


 どうしたもんだろう 直接殴っても鱗がある...魔法で強化して殴ったらそれは物理攻撃になるかな? でも私の体が耐えれるかっていう問題もあるけど...やるっきゃないよね


 「じゃあもう一回...!」

 「何かする気か?いいだろう、受けてみよう」


 身体強化をした後に拳を握る ありったけの魔力を込めて殴っちゃおう 人を殴るなんて初めてだからやり方とか分からないけど力いっぱい込めて殴れば何とかなる...!


 魔力の塊ともいえる拳を思いっきり竜にぶつける 殴りつけた瞬間竜が耐えようとしているが耐えきれなかったのか後ろに軽く飛ぶ お城の様な大きさの竜が後ろに飛んで倒れるって事は山に対する被害が...ごめん山!


 「いったぁ...拳痛いし...体も痛い...なにこれぇ!」

 「ふむ...強化魔法で殴って来るか...強化魔法だけでここまで強化されているのも驚きだが...よく魔力が持つな...扱い方もまだまだ稚拙...」

 「痛い...あ、だめだ...治癒魔法で何とかなるかな...」

 「これで終わりか?」


 動こうと思えば動けはするけど...ただ右腕の辺りがすごい事になっている 拳は血だらけになっているし腕からも所々血が滴っている うん、完全に無理をしたね、魔力で無理やり強化したけど体が追い付かなかったのかな 治癒魔法で治るといいけど...出来るなら痕は残らないで欲しいなぁ


 「ふむ...ダメそうだな」

 「...んぅ...?幻覚かな...なんか竜が人型になってサイズが小さくなってるように見えるんだけど...」

 「これは人化という魔法だ、人の姿に成れるだけの魔法だが便利だぞ」

 「どうして今それを使ったの...とどめ?」

 「どうしてそんな事をする、この姿に成ったのは会話がしやすいからだ」


 会話をするって事はもう戦いは終わったって事でいいのかな すっごいありがたいけど...あー結局歯が立たなかった ただ魔力の量を使って殴っただけだった 代償は体についてきたけど


 「もう少し魔力をちゃんと使うか魔法を使えば私にも勝てただろうに...」

 「え?魔法効かないって言わなかった?」

 「敵が言った事を鵜呑みにしてどうする、効かないといったが本当は効きにくいだけだ、あの炎も我慢していたが少し辛かったぞ」

 「えぇ...そうなんだ...」

 「だが面白かったから吹雪は止めてやろう...そこで提案なんだが...」

 「え?...これ以上何かするのはちょっとしんどい...」

 「違う、私と契約をしないか?」

 「...?」


 何を言ってるのだろう 契約って普通こっちから持ち掛けるものだと思うんだけど...それにそんなほいほい契約していいのかな いいのかもしれないけど...それにリーアはどう思うかな


 「...うーん、契約している子が居るからその子にも聞いていい?」

 「それは勿論構わない」

 「リーア~ちょっと出てきて~」


 リーアを呼ぶとリーアが面倒くさそうに出てきた さっきまで主人が戦ってたのに助ける気すらなかったのはなぜ? というか凄い面倒な顔しないでよ


 「...貴様...妖精姫か...?」

 「誰よあんた」

 「...いや、なんでも無い」

 「マルガあの竜に負けたの?ちゃんと魔法の練習しないでサボるから...」

 「負けてないし!ちょっと情報戦でインチキされただけだし」

 「それを負けたって言うのよ...まぁ別に契約者が増えるのはいいわよ、マルガの身の回りの世話とかさせたいし」

 「えぇ...そんな理由...?」


 そんな理由で竜を契約していいんだろうか というかあそこまで強かったのにそれでも一方的に知られているリーアってもっと凄いんだろうね...契約...うーん、まぁ竜側からしたいって言ってるしいいのかな あ、竜の名前知らないしちゃんと聞かないと...

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る