私は説得をする!②

 「そうだな...貴様...まずはその抑えている魔力を見せて見ろ...」

 「えぇ...断る権利は...?」

 「断ってもいいが断ったら吹雪はずっと吹き続けるだろうな、後この威圧も解かないぞ?」

 「...威圧を先に解いてくれたら...いいよ」

 「はは、先に解けというか、いいだろう」


 そういうと竜は魔力を抑えたのか一気に楽になった ミツキもかなりきつそうにしていたが今は楽に呼吸をしている ただ威圧していた時間が少し長かったのかちょっと意識が朦朧としているみたいだ 魔法は持続しているしちょっと休憩すれば大丈夫かな...うん


 「威圧は解いたぞ、さぁ魔力を見せてくれ」

 「...しょうがない...吹雪を抑えに来ただけなのになぁ...」


 ここでかっこよく開放...!とか決めていた呪文とか言ったらかっこいいのかもしれない でも何も決めてないし何なら魔の森までは魔力を垂れ流していても問題無い生活をしてたから...って事は魔族のドロシーとかは私の魔力をずっと感じてたって事なのかな...慣れって怖いね


 「行くよ...」

 「...ふむ...っ!?」

 「言われた通り抑えない様にしてみたけど...これでどう?」

 「想像以上だ、最後の一つ聞いてくれたら吹雪を抑えてやろう」

 「やった...それで何を聞けばいいの?」

 「私と戦え」

 「...ん?...」


 何か変な事が聞こえてしまった気がする うん、聞き間違いかもしれない 竜が人に向かって戦えなんて言う訳が無いもんね きっと聞き間違いだ 戦わない様説得しにきたのに戦うなんて事がある訳がない


 「どうした?私はちゃんと戦えと言ったぞ?」

 「聞き間違いじゃなかった...えぇ...竜と戦っても私が負けるだけだよ?...」

 「それでも構わない、私が勝っても命は取らないと約束しよう」

 「...仮に私が勝った場合は...何がある...?」

 「なんでもいいぞ、万が一にでも勝ったらなんでも聞いてやろう」

 「...へぇ...」


 なんでも...か ちょっと悩むけど 勝てるか分からないんだよね... もしの話だけど勝てたら考えよう 勝てるかな...というか私勝負終わった後生きてるかな...


 「わ、分かった...じゃあ勝負する...」

 「ではやるぞ、準備はいいな?」

 「すぐ!?」

 「勿論だ、何か不都合でもあるのか?」

 「で、出来るならミツキは避難させたい...かな?」

 「なるほど...それぐらいなら許すぞ」

 「ん、ちょっと待って」


 ミツキの手を掴み転移魔法を使う 宿の部屋まで転移するとベッドに置いていく 意識が朦朧してそのまま倒れちゃったみたい 気絶しちゃったかな...まぁしょうがないよね 魔獣っていうより神獣みたいなのの威圧を諸に受けたら普通そうなるよね うん、戻ろう 覚悟はできたから


 「...お待たせ」

 「珍しいな、転移魔法を使える者は久しぶりに見たぞ」

 「...たまたま使えるだけ...」

 「もう大丈夫か?」

 「...勝利条件を聞いておきたいかな?」

 「ではどちらかが戦闘不能でどうだ?もしくは降伏した場合だ」

 「分かった...」


 開幕で降伏したら一番楽なんだろうって最初に考える時点で私の心はチキンなんだろうな だって竜と戦わずして終わるなら勿論それがいいに決まっている ただ...そうしたら許してくれないんだろうなぁ...一生吹雪が起き続ける事になりそう 頑張らないと

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