私は説得をする!①

 竜だ...物語とか想像の話で出てくる生き物...でもこのサイズは...居ていいのかな 近づきすぎると壁と見間違うサイズ 魔力に関してはよく分からないけど...ここまで来て何も動きが無いって事は多分寝ているんだろう 寝ていて無意識に漏れている魔力でよく分からないんだから起きた時はもっと魔力が出てるんだろう ホルマの人たちはただの魔獣と言っていたけど何をしたらただの魔獣がこのサイズの竜になるんだ?


 「...これが魔獣?...」

 「...起こさないでね?...起こしたらどんなに不機嫌になるか分からないし...」

 「...分かってるけど...」


 なんて傍でひそひそ話していたら壁...じゃなくて竜が動き出した と言っても寝相の様な物なのか一度動いた後全然動かない 寝相が悪い竜なのかな このまま起きるまでちょっと待機したいけど...まぁ当然というか当然なんだけど吹雪はこの竜が起こしてる訳だから、その傍は寒すぎるね 多分魔法が使えなかったら凍るんじゃないかな 周りへの環境破壊が酷い


   ◆◇◆◇


 「...ん、魔力が跳ね上がった...」

 「起きたかな...出来るだけ魔力を抑える様にしてたらとっても寒い...うぅ...」

 「...戦闘は避けよう...もし話し合えないなら一回逃げで...」

 「了解っ...」


 竜と目があう 割と顔は近い所にあったらしくとても大きな目が私達の事を見ている 目の大きさだけで私と同じぐらいあるんじゃないかってぐらい大きい...ただこの竜は反応する訳でもなくただじーっと私の事を見つめている、一体どうしたんだろう? 


 「...ん?...」

 「...ふむ...なんでここに獣人が居る?...」

 「...おはようございます?...」

 「うむ、もう一度聞こう、なんでここに居る?」


 そういった瞬間一気にこの竜のプレッシャーが跳ね上がった 魔力を全方位に放出して威圧している様に見える これが竜の力?ミツキの方を見ると息がしずらそうだ... さっさと答えてミツキを楽にしてあげないと


 「...ん...吹雪が辛いから...原因に会いにきた」

 「...ほう?...会ってどうする?退治でもするのか?」

 「...退治する気は特に無い...大変だし...それより吹雪だけどうにか出来ないか聞きに来た」

 「どうにも出来ないと言ったらどうする?」

 「それは残念...素直に撤退しちゃおうかな?」

 「ふむ...貴様、面白いな?」

 「え?」


 今の会話で面白い部分があったのかな それとも久しぶりに話すから何を話しても面白い状態になっちゃったとか うん、その線が濃厚だと思う 


 「貴様気に入ったぞ」

 「え?...えぇ?」

 「だがこの吹雪をただで止めるのも面白くないな...どうしたもんか」

 「...えぇ...そのまま止めてくれる流れ...」


 なんかこの流れ非常に不味い気がする...相手に主導権を握られているし相手の動く条件が完全に面白い事だもの...非常に不味い...!

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