私は魔道具を見る!

 ついに来ました魔族の国ホルマ うーん...観光もしたいけど...こんな雪国だとは思わなかった これは私の外に出たくない欲が更に出て観光って言うより休養になりそう...温かい部屋でぬくぬくとベッドに引き篭もって美味しいご飯を食べたい 温かいお米食べたい 


 「...うぅ...寒い...」

 「...大丈夫?...もう少し着込めばいいのに...」

 「それより魔法ありにしてくれないかなぁ...この魔道具外して欲しい...」

 「...それはさっさと諦めて...ほら?」


 ミツキが手をこっちに出してくる、なんだろうと思ったけど手を握ればいいのかな ん、ミツキの手温かい...もしかして私には魔法禁止にしている癖に自分は魔法使ってる?それだとしたらちょっと卑怯な気がする...インチキ!


 「...さむ...」

 「...マルガの手は相変わらず柔らかい...」

 「...うー...早く宿を見つけよう...」

 「...そうだね、寒いからね...」


 ミツキが手をにぎにぎしながらキョロキョロと探してる というか外を出ている人が全然居ないなぁ... 皆寒くて外に出ないのかそれとも別に理由があって外に出れないのか...よく分からないな


     ◆◇◆◇


 「...宿が無いし...ギルドも無い...本当に国?」

 「...あるにはあったけど閉まってるみたいだね、ギルドまで閉まってるなんて...何があったの...」

 「...うーん...この雪が関係あるのかも...流石に全部閉まってはないと思うけど...」


 人すら歩いてないから多分異常事態だと思うんだけど...どうなんだろう...分からない、取り合えず宿を探さないと何もできない...観光も出来ない


 「...見つけたけど...うーん?」

 「...綺麗な宿だね...」

 「ここにする?他に見つからないし?」

 「...そうだね...」


 宿に入るとえらく強面の人が受付に座っていた どうやらお客さんが全然来ないせいで暇なのかずっと本を読んでいる様子だった 入り口が開いた時点で気づいて欲しいものだけど本に夢中なのかな?


 「...ん?...客か、こんな時期に来るなんて変な奴らだな」

 「...一週間...いくら?」

 「お前ら獣人か...食事は居るか?」

 「...んー...どうする?...」

 「食べたい...!」

 「...じゃあそういう事で...」

 「一週間...金貨7枚だな、食事は朝と夕両方ある」

 「...はい...」


 ミツキが金貨を渡してカードの様な物を受け取る 何だろうこれ カード状だけど微妙に魔力を帯びている これ魔道具なのかな?


 「ん?これを見るのは初めてか?」

 「...こっちが初めてだから...一応説明してちょうだい...」

 「しょうがない...これは鍵の魔道具だ、対応したドアを開ける事が出来る、ドアにかざすだけで鍵が開くし鍵を持って一定以上離れると鍵が自動で閉まる だから部屋とかにこの鍵を置いておくとずっとドアが開いているから気を付けろ 部屋の中で鍵を閉めたいときは中からドアにかざすと鍵を閉める事が出来る、分かったか?」

 「...分かった、うん」


 つまりオートロック...魔法でもこういう発想をする人っているんだね、誰がこの魔道具を作ったのか知らないけどこれだったらセキュリティもばっちしだし割といい宿なのかもしれない

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