私は拉致される!

 「...ん...?」


 知らない天井...何処だここ?


 「...んん...ミツキとリウムさんは...?」


 確か昨日はリウムさんが帰ってきて話していて...途中ですっごい眠くなってきて寝たのかな...でも知らない天井だし...知らない場所?...誘拐された?でもそれだったらリーアが気づくはずだし...どういう事だろう?


 「...だめだ...寝起きは頭が働かない...」

 「頭が働かないのは薬のせいだと思いますよ~?」

 「...ん?...」

 「体もあんまり動かないはずですよ~」

 「...この声...リウムさん?」

 「はい、そうです~」

 「...薬?...なんで?」

 「話せば長くなりますが...簡単に言うと色々都合がよくなったからですよ~?」

 「...どうするつもり?」

 「大丈夫ですよ、殺したり...とかはしないですから、ただちょっと自由は効かないですけど~」

 「...待って?ミツキは?」

 「別に部屋に居ますよ~、あっちも同じ状態ですが危害は加えないですよ~?」


 本当にどういう事だろう?全然理解が追い付かない...落ち着いて状況を整理しないと...まずは

 ・リウムさんに薬で眠らされて拉致された?

 ・ミツキも同じ状態で離されている

 ・リーアは何故か反応してないし出ても来ない タイミングを窺ってる?

 ・一体何が目的なのか全く分からない


 こんな所かな?ただリウムさんの声はするけど体が動かないせいで本物かも分からないし...うーん...正直薬が抜けるまでこのままかな...聞いた話を全部信用する訳じゃないけど...殺されはしないと思うから、うん


 「大人しくしていてくださいね?」

 「...分かった」

 「いい子ですね、ではまた後で見に来ますね~」


 なんて言いながら自称リウムさんは何処かに歩いて行った...見えてないんだけどね?

 さて...どうしようか...とりあえずリーアを呼びたいけど...もう少し待とうかな


       ◆◇◆◇


 「...んー...薬抜けてきたのかな...よく見たら拘束されているし...さてどうしようかな」


 薬が抜けてきて体を動かせるようになって周りを見るとまず最初に目につくのが足首につけられて床に固定されている鎖だ、次に私を中心にびっしりと書かれた魔法陣...読める部分もあるけど...結局よく分からないな


 「...リーア?...リーア~?...あれ?」


 どんだけ呼びかけていても返事が返ってこない...うーん?なんというか魔力が全く感じない どういう事だろう


 「...もう少し待ってみようかな...」


 待ってみるけど待っている間にも色々調べたいな...とりあえず鎖は壊さない方針で行こう、壊してリウムさんが見に来たら困るし


 「...あれ?...空間魔法が開けない...魔法は...あれ?」


 どんだけ空間魔法を開こうとしても開いてくれないし、魔法を撃とうとしてもそもそも魔力を使う事すら出来ない...?もしかしてリーアが来れないのもこれが原因? 仮に私の魔法を封じたとしてもリーアは来れるはずだから...この部屋とかこの場所が魔法を使えないって事かな...ちょっと魔法が使えないのは..,やばいかも...?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る