私は家に帰る!

 「...マルガの家って何処にあるの...」

 「私の家?...えーと...あれ!」

 「...お城の近くに家があるの?...」

 「ううん、あのお城が私の家だよ?」

 「...そ、そう...ドロシー?マルガの家って何処にあるの?...」

 「あー!信じてないでしょ!」

 「マルガちゃんの家はあのお城だよ、嘘でも無いし本当の事だよ」

 「...本当だったんだ...」

 「なんで信じきれなかったの?」

 「...なんかうさんくさかった...」


 私も私で自分の事をお姫様とか思った事無いんだけど、一応この国のお姫様って考えたら実は私ってすごい?、まぁ半獣と同じ見た目なせいで多分お姫様とは認められないだろうけどね、まぁそんな事は特に気にしてないしいいんだけど


 「...どうやって行く?...」

 「特に何もしてないから歩いてかな、少し歩くけど特に遠い訳でも無いし」

 「...マルガの体力大丈夫かな...」

 「おんぶするなり抱っこするなりすれば特に問題ないでしょ」

 「私を何だと思ってるの!お城までなら問題無いし」

 「本当ですかね...魔法で楽している分こういう単純な運動は無理な気がしますよ?」

 「...そんな事無いし...」

 「...へばるのは目に見えてるからきつくなったら言ってね...」

 「よゆーだし...!」


 この時は本当に余裕だと思っていたんだけどお城への門が見えてくる頃になってくると明らかに息切れしてきた あ、あれ?体力テストの時は走ったから辛かっただけでなんで歩いてるだけでこんなにきついんだろう もしかして本当に運動しないとまずいのかな...ちょっと...というかかなり嫌だな


 「...ひっ...死ぬ...」

 「ほら、もう着くから頑張って」

 「...ドロシーってもしかしてスパルタ?...」

 「一回きつくなったら次から歩ける限界分かるんじゃない?」

 「...も、もう無理...助けて...」

 「...はいはい、よいしょっ...マルガ軽すぎない?もう少し食べないと...」


 お城を目の前にしてミツキに抱っこされるというちょっと恥ずかしい罰ゲーム...やっと帰れる...疲れたからベッドでだらだらしたい...!


 「止まれ!ここはルクロン城である、身分を明かし用件を言え!」

 「私はここで魔法講師をしていたドロシーよ、マルガ様を一時的に帰宅させにきたわ、ついでにマルガちゃんのお客さんも連れてきたわ」

 「...そんな話は聞いてないが...少し確認させる...少し待て」

 「その必要は無いわよ、お帰りマルガちゃん」

 「...ママ?」

 「そうよ、マルガちゃん、おかえりなさい」

 「...た、ただいま」


 なんかこうやってママに「ただいま」なんて言う事も無かったしちゃんと顔を見て話す事も少なかったからかなり照れる...すっごい背中がくすぐったい感じがする。


 「ソフィア様?この子は...?」

 「私の娘よ、この子達はあげても大丈夫よ、そういえばマルガに紋章を渡すのを忘れてたわね」

 「分かりました...通っていいぞ」

 「...マルガってすごいんだね...」

 「私は何も凄くないよ?」

 「とりあえず入りましょう」


 兵士が城へ入れてくれる 中ではママが待ってくれている 相変わらず綺麗だなぁ...私にもその遺伝子があるからちょっと期待...胸も遺伝子が受け継がれている事を期待しよう


 「改めておかえりなさい、マルガちゃん」

 「ただいま、ママ」

 「そして...ちょっと久しぶりかな?ドロシーとメリー」

 「久しぶりだね」

 「はいっ...お久しぶりです...」

 「そして...また会いましたねミツキさん」

 「...お久しぶりです...ソフィア様...」


 あれ?ミツキとママってなんで面識があるんだろう? 知らない所でそういう繋がりがあるのとっても怖い どういう事だろう?


 「あれ?マルガちゃんはもう知ってると思ってたけど...もしかして教えてない?」

 「...はい...特に何も教えていません...」

 「あらあら...だったらお茶でも飲みながらお話しましょうか?マルガちゃんも疲れているだろうしゆっくり座りながら休憩しましょうか」

 「え...あ、うん」

 「じゃあ準備するわよ、メリーはミツキさんを応接室に案内してあげて、私はマルガちゃんを着替えさせてから行くから」

 「はい、分かりました」

 「...待っておけばいいのね...」

 「じゃあ行くわよ、マルガちゃん」

 「は、はい」


 ママに抱っこされてそのまま連れていかれる これはもしかしなくてもママの手でお着換えさせられてそのまま色々される奴だ 悲しい


 「本当ならお風呂に入れたいんだけど...マルガちゃん嫌がるし時間も無いから魔法で綺麗になっていいわよ?」

 「...そういうならお言葉に甘えて」

 「マルガちゃんに何着せようかしら...とっても悩むわね...」

 「なんでもいいからあんまりヒラヒラついてないと嬉しいなぁ」

 「だめよ!とっても可愛くしないと!」


 ドレスを選ぶ時間の方がかかりそうだけどそういうのはとっても面倒なので適当に白を基調としたドレスを選んで着せられる この格好をミツキに見られたら恥ずかしい気がするけど慣れないと...ルクロンに居る間はこんな格好をしないといけないのだから

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