私はルクロンに帰る!③
「ねむねむ...」
「マルガちゃんかなり器用な事をしているわね...」
「...多分リーアが手助けしてる...」
「手助けって言っても浮いてるマルガを馬車に合わせて動かしているだけだよ、ずっと浮いてるのはマルガの魔法だし」
「どっちも凄い事なんだけどなぁ...なんかマルガちゃんの魔法の先生がどんどん肩書だけになってる気がするなぁ」
「まぁまぁ、どうせ殆ど教えてないような物なんですから」
「メリー...ストレートにえげつない事言わないで欲しいな?」
馬車酔いしなくなってから本当に進むスピードが上がった ルーカスさんがどれだけ私に配慮して進んでたのか分かるなぁ 今は私に配慮しなくてもよかったからどんどん進む 『ケルベロス』達も割と頑張って着いて来てるし、一緒に乗るかとかすればいいのに まぁ今の所魔獣が居ないってわかってるの私だけだし警戒しないといけないよね、かわいそうだし教えようかな?信じてくれるかは分からないけど
なんて考えていたらルクロンが見えてきた、なんか凄く懐かしい気持ちになる 一年も経ってないはずなのに...多分だけど共和国での色んな事がありすぎてそれのインパクトが強いんだろうな
◆◇◆◇
「今回はかなりスムーズに行きましたね」
「まぁ嬢ちゃんの馬車酔いを改善出来たのが一番でかいな、別に困っていた訳じゃないがスピードをかなり緩めていたからな」
「うーん...待ち時間が長いですねぇ...何かあったのかな..?」
「どうしたのルーカスさん?」
「あぁ、ドロシー様どうやらルクロンに入る入り口で何やら混んでいるみたいで...何かあったのでしょうか?」
「...うーん...通常だと時間がかかりそうね...ちょっと卑怯だけど貴族専用の入り口を使いましょう」
「大丈夫なのですか?」
「一応私とマルガちゃんは貴族って扱いになるはずだから大丈夫だと思うよ」
「なるほど、それじゃあお言葉に甘えて」
ドロシーの案内で別の入り口へ向かう ちょっと豪華になってる辺り流石貴族専用、正直こんな入り口があったなんて知らなかった、まぁ一回しか外に出た事無かったしルクロンに入った事なんて無いし知らなくて当然なんだけどね
「止まれ、ここは貴族専用だ!何か身分を証明できる物はあるか!」
「これは代表が出せば問題無いのかな?」
「それで大丈夫だ!」
「じゃあこれで」
そうやってドロシーは首飾りの様な物を衛兵に見せる 何やら紋章が入っているみたいだけどあれが貴族の証明が出来る物なのか...
「...よし、通っていいぞ!」
「はいはい、ありがとうねー」
「ドロシー様って貴族だったんですね?」
「まぁ名誉貴族みたいなものだけどね」
「へぇ...そんなのあるんだ」
「マルガちゃんはそこらへんの勉強はしていないのかな?まぁそういうのもあるからね」
そういう物なのだろうか もうちょっと勉強しないとだめだなぁ 私のお城の図書館なら貴族関係の本もあるのかな?
「ではドロシー様、今回はありがとうございました」
「いえいえ、ルーカスさん、こちらこそ今回も送ってくれてありがとうございます」
「ではまた次回もご縁がありましたら」
「はい、よろしくお願いします」
またルーカスさんに送って貰えて快適な旅になった 今回は二日で着いたけどもし私が馬車酔いでグロッキーになっていたらかなり迷惑をかけただろうに、それでももう一度私達を送ってくれたんだからあの人はきっといい人なんだろうな
「...久しぶりに戻って来た」
「久しぶりね」
「...なんで被り物で耳を隠さないと行けないの?...」
「この国では他の種族はあんまりいい目で見られませんから...我慢ですよミツキさん」
「...分かったメリー...」
「お家に帰りたいなー」
このまま私のお城までまっすぐ帰ってパパとママをびっくりさせよう 多分いきなり決まった事だからドロシーもメリーも知らせてないと思うんだよね ちょっと楽しみだ どんな反応をするのかな?
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