私はルクロンに帰る!②

 「ふふふぅ~」

 「...マルガが普通に凄い事をしている事に気づいているのかな?...」

 「まぁマルガちゃんが馬車で酔わないならいいんじゃない?」

 「マルガ様...私達の前でなら大丈夫ですけど知らない人と馬車に乗る時は大人しく酔っておいてくださいね?」

 「あっ...その時はどうしよう」

 「...大人しく胃をぐるぐるさせておいて...」

 「ひどい!!」


 確かに知らない人の前でこんな魔法使ったらどんな目で見られるか分かったものじゃない 本当にちょっと浮くだけにしてバレない様にするかそれとも大人しく気持ち悪くなるか...何か考えないと本当にやばいかも


 「マルガ様?大丈夫ですか?」

 「はいっ、大丈夫です!」

 「それはよかったです、一体どんな事をしたらあんなに酷かった馬車酔いが治るのか...教えて欲しい所ですが...」

 「それは...秘密です!...」

 「そうですか...とりあえずマルガさんも大丈夫になったので出来るだけ頑張って距離を稼ぎましょう、このスピードを維持しながら進めたら二日目には着く事が出来ます、皆さんこの速さでも大丈夫ですか?」

 「...問題無い...」

 「大丈夫よ」

 「大丈夫ですよ」

 「景色綺麗...馬車に乗って初めて外見た...」

 「マルガも大丈夫だと思うからそのままで構わないわ」


 馬車に乗ってる間基本グロッキーになって景色なんて見る暇無かったからこうやって余裕を持って外を見ると大きな山と森が沢山ある事自体初めて知ったよね 自然が多いなぁ あの中に行ったら沢山の魔獣が居るのかな? ルクロンでも余裕があるならギルドで仕事してみようかな、ママとパパが許してくれるかは知らないけど


            ◆◇◆◇


 「そろそろ暗くなってきたわね」

 「そうですね...ここら辺りで野営をして明日の朝出発しましょうか...」

 「あぁー..やっと終わった、疲れた...」

 「お疲れ様です。カイル、今日はゆっくり体を休めてください」

 「お言葉に甘えようかな旦那、一応ローテーションで見張りを付けておく、何かあったら対応するからその時は俺たちの指示に従ってくれ」

 「初めて馬車降りて吐き気が無い...馬車って楽しい!」

 「...よかったね...」


 このスピードで進行する事が出来るなら明日の夜ぐらいにはルクロンに到着する事が出来るらしい つまり明後日にはママとパパに会って久しぶりにお話が出来るから...ちょっとそわそわしてるかも


 「じゃあ私は馬車で寝ますので...ドロシー様達はどうなさいますか?...」

 「私達はお言葉に甘えてテントで寝ようかな?」

 「そうですね...マルガ様が馬車で平気になったとはいえお昼までダウンしていたのは事実ですのでテントを借りさせて頂きます」

 「私はもう平気なのに...まぁテントで寝れるなら寝るけど...」


 テントの中に入ったら私の空間魔法で温かい布団を出してゆっくりぬくぬくしながら寝ちゃおう ルーカスさんに見られても荷物に入れていたとか言えば多分大丈夫でしょ 早く帰って暖かい布団で寝たいな


             ◆◇◆◇


 「おはようございます...」

 「...マルガ...一番起きるのおそい...」

 「マルガちゃん相変わらず朝弱いねぇ」

 「マルガ様?そろそろ朝起きる練習もしましょうか」

 「...やだ...もう一回寝る...」

 「何言ってるの?もう出発時間よ?」

 「...軽い食事したらもう行くよ...」

 「そんな...」


 どうやら私は眠りすぎて割と時間ぎりぎりまで寝ていたみたい まだ眠いけど馬車でうまく浮きながら寝るっていう器用な事をすれば行けるはず もっと眠りたいなぁ

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