番外 私は初恋をする②

 次の授業では実戦形式の魔法の授業があった よくあるのがこの授業で私たちの誰にも勝てなくて疎外感から学校を辞めてしまうパターンだ 正直それで辞めている時点でこの学校に向いてないと思う 私だって負ける時は負けるし勝てる時は勝てるのだから そこで勝てないなら辞めるっていうのは何かが違うと思う 勝てるようにするのが努力なのに・・・ なんて思ったり

 最初からマルガが戦う事になって私は興味津々だ 好きな人うんぬんの話を置いといても実技で満点を取った子が一体どんな魔法を使って戦うのかとても気になる 相手はツバキ あの子は確か付与魔法で戦う少し特殊なスタイルだったはず 一回でも付与魔法がされた武器を持たれたら付与の切り替えとまず元々の武器のリーチ的な意味で接近して魔法を使うタイプには絶望の相手だね さてマルガはどっちのタイプかな...?

 戦いはすぐに始まったがマルガは付与魔法の厄介さを知らないのか木刀に魔力が絡まっていっても特に動こうとしない ただ魔力が絡まっていくのを見てツバキに指を指し始めたと思ったら雷の球体ができ始めてまっすぐツバキに飛んで行った あれは確か学校長が前に皆に新開発したと言って自慢していた雷魔法にすっごく似ている 偶然なのかそれとも何処かで見て真似したのか知らないけどあれは確かあの時点では不完全だったはず...


 なんて考えてたらカエデの付与魔法の属性が風になりそれを纏ったままマルガにそれをまっすぐ振り下ろす 普通なら横にそれただけで避けれる剣が風魔法のせいで不可視の剣に成り代わる マルガはぎりぎり不可視の剣の方も避けるがそこで私にとって大事件が起きる

 そう、マルガの服が横に裂けたのだ


 「かふっ...お腹....」

 「先生~ミツキさんがまた鼻血出しました~」

 「それは放置でいいですよ~」 

 

 ただ私が鼻血を出してる時にマルガが氷を出した後に形付けて剣の形を作っていた その造形する魔法は一体なんだろう その剣の形は確か刀とかいう奴だったかな? どうやってその氷の刀で戦うのだろう なんて思っていたらなんとカエデの付与魔法をそのまま真似し始めたのだ


 その後雷を纏った氷の剣とかいうよく分からない概念で切りかかったマルガがとっさに剣でガードしたカエデの剣を綺麗に両断したのだ

 一回目から魔法の実技で勝つのは正直珍しいと言えば珍しい 結局マルガは自分の引き出しから出したは雷の魔法の奴と氷で剣を造形したあの魔法だけなのだから、決定的になったのは付与魔法だが見た感じあれはあの場でただ真似ただけみたいだ


 その後にマルガを膝枕していたのだがカエデが余計な事を言ったのでマルガが離れていった この恨みは高くつく...って感じですぐに一対一を申し込んで戦う事になった いつもは手札を隠しながら戦うのだけれど今日はマルガが見ている かっこいい所を見せる為に本気でやらないと・・・!


 結果から言うと私の圧勝だった 正直今まで手札を隠していたアドバンテージをうまく使って相手が対処する前に倒した感はあったけどそれでもマルガにかっこいい所を見せたのだからいいだろう その後はマルガと喋りながら観戦しようと思ったのだが時間が来たせいで授業は終了になった お昼休みでも一緒にご飯を食べる...なんて思っていたらシルフィ先生が面白い事を言ってくれた、マルガはまだ学校を知らないからお昼休みにご飯を食べ終わったら案内したら?と提案されたがかなりいい案だと思った

 ただマルガの非常識はお昼休みでも休む事なく発揮された いきなり空間に裂け目を作ったと思ったらその裂け目から弁当箱を取り出したのだ なんだその魔法は? 見たことも聞いたことも無いような魔法にびっくりしながら恐る恐るマルガに聞いてみると『便利』だそうだ 秘密にしなくてもいいかと聞くとどうやら秘密にしたかったぽい魔法の様だ うん、多分この子は天然かバカのどっちかだろう 正直可愛いけど危うい事に変わりはない 取りあえず秘密にするってことでご飯を食べよう


 「マルガちゃん、口開けてー?」

 「ふぇ?...あーん」

 「はいあーん♪」

 「んむ..お肉?」

 「そうそう♪野菜ばっかで可哀想だからあげるよ!」

 「..ありがとぉ..」

 「...かふっ...」

 「なんで他人の笑顔でそんなに死にそうになれるのよ!ミツキ!?」


 その後に心配してた通りにマルガはやらかした 三人だけの秘密といった空間魔法を躊躇う事無く皆の前で見せたのだ マルガは手綱を引く人が居ないとやばそうだ 私がなろうと思った瞬間だった


 その後はマルガがどんな魔法を持っていてどれを隠したいかをクラスの皆で共有した後に午後の授業になったのだがどうやら午後の授業は午前の続きで魔法陣を作るらしく午前で終わった私とマルガは暇になるのだが時間の有効活用ということで私が学校を案内することになった これは実質デートなのではないだろう? 一階から案内するのだけどマルガが今にも走り出したりしそうなので逃がさない為に手を繋ぐことにした、恥ずかしそうだったけど私は手の感触を握りながら楽しむことにした

 案内もすぐに終わったのだがマルガはどうやら本が好きらしく図書館の事を教えると全力で食いついてきた 学校案内の後の放課後に帰ることを忘れてずっと本を読んでいるくらいだからよほど本が好きなのだろう 

 その後はマルガの保護者らしき人が迎えに来て家に帰ろうとしたのだけどけん制の為に婚約者発言をしたらけん制し返したのでそのままなし崩し的にマルガの家に泊まる事になった


 マルガの家に泊まる事になって最初に驚いたのはマルガの家にはメイドが一人居たのだ それの後にドロシーとマルガと一緒にお風呂に入る権利をかけて死闘をしたのだけれど私の勝利で終わった マルガとのお風呂は非常に有意義だった 鼻血が止まらない

 一緒にご飯を食べて一緒に布団で寝る事になって私はたぶん初恋をしてから恐ろしいスピードでマルガとお近づきをしているのだろう 多分幸せだ 明日が楽しみになるなんて昨日の自分に言ったら鼻で笑われるだろうが今の私はこう思う 


 恋をしたら明日が明るくなる....と

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