番外 私は初恋をする①
いつも通り朝起きて支度をする 一人暮らしにも慣れたものだ ただ刺激が無いと言えばそれまでだけど私はこの変わらない日常は好きだ 朝起きるのは少し苦手だが一人暮らしに慣れてきた様に朝起きる事も慣れてきた やはり何でも続けていれば慣れるのだ
正直学校まで歩いて20分ぐらいかかる訳だが貧乏学生には近い家は家賃が高くてきついのだ 親元を離れてこっちで細々とやっていくのが精いっぱい 幸いにも学校自体はSクラスに入れた事によってほぼ無償の様な物だがもしSクラス以外になっていたら更に生活がきつくなって集合住宅の寮などに入っていたことだろう あそこは安くてご飯がついているからね
「....おはよう...」
「おはようミツキ!今日も眠そうだね!」
「...最近あんまりやる気でない...」
「最近授業がマンネリしてるからね?でも今日から一人新しい子が来るらしいよ?」
「...どうせ
そう、一年に一回か二回程度Aクラスから上がってきたり新しくSクラスに編入してくる子自体は居るのだ ただ長く持って一か月から二か月 この5人以外で半年持った子は居ないのだ まぁそれは定期テストの圧倒的難しさによるものだったりちょくちょく授業に入ってくる魔法の実技とかで一回も勝てなくて学校そのものを辞めてしまったりと理由は様々なんだけど...
「まぁまぁ、今回はシルフィ先生が言ってたよ?学校長が絶賛してたって」
「...あの学校長が?...その話詳しく..カエデ...」
「いや..なんでも...」
カエデから聞いた話はかなり出鱈目チックな物だった まず実技と筆記で満点を取って卒業試験のテストも満点を取ったとか そして両方満点を取ったのにその年は5歳だとか 5歳なのに傾国の美女だとか
設定を盛りすぎでしょって素直に思ったよね ただシルフィ先生が言った話を言ってるらしいからあり得るとしたら全て本当のことなのかそれとも学校長がふざけて嘘を混ぜたかシルフィ先生が嘘を混ぜたかなんだよね まぁ来た時にわかることだしいっか
なんて考えてたらその生徒が来たみたいだ シルフィ先生がそわそわしてると思ってたらHRを始める前に連れてきたかったのか なるほどね
「失礼するぞ、シルフィ先生、例の子を連れてきましたぞい」
「あー、あの子来たんですか?ちょうどHR始めようと思ってたので助かりますー」
なんて言ってるけど世間話をして少し時間を稼いでいた癖に
「今から編入してくる子は子供だからそんなに威圧しないようにね?大丈夫だよね?」
「...」
「多分!」
「...多分?」
「大丈夫ですよ~」
「それじゃマルガさん、入って頂戴ー」
「は、はいっ...」
その子が入って来た瞬間に目を惹かれた 銀髪の髪に猫耳 紅い目にスカートから少しだけ出ている尻尾 同性だし今まで恋とか何も気にした事ないけど見た瞬間にはっきりと自覚した 私はこの子が好きだ
「は、初めまして..マルガっていいまひゅっ...~っ!」
「ふっ...噛んだ..」
「...」
噛んだその仕草も噛んだ後に恥ずかしそうに顔を隠すその仕草も可愛い どうやら本格的に私は恋をしたみたいだ
恋を自覚したら簡単だ 後は相手が幼かろうと同性だろうと関係無い 自分なりにアタックするだけ 経験は無いけど何とかなる ただ最初のアタックが肝心だと思っているけど最初は目が惹かれて目を離すことが出来なくなってしまった
「ミツキ?マルガちゃんの事ずっと見ているけど何か気になる事あるの?」
「...マルガ?...好きな食べ物は?」
「えっ?好きな食べ物ですか?...好きな食べ物は魚ですっ」
「そう...好きな人って居る?...」
「えっ...?好きな人ですか?...好きな人?...ドロシー..かな?..多分?..あれ?...好きな人!?...居ないと思います...」
「そう..居ないのね...」
「えっ..どういう事ですか?..」
「マルガ?取りあえず結婚しよ?...」
「にゃ!?何処に取りあえずの要素あるんですか!?けっこ..!?..私たち女の子どうしだし..まだ会って一日目だし..えっ?」
あれ?間違ったのかな?...でもアタックしないとね? アタックしないで誰かに取られるくらいなら最初から唾をつけて誰も手を出せない状況にしないとね
その後は何回も結婚しようと言ったわ、どうやらマルガは頭がいいみたいで3歳なのに既に結婚がどういう概念か理解しているみたい でも嫌とは言わないし人に対しても免疫が無いみたい 可愛い
次は授業で一緒になった シルフィ先生が魔法陣を作る授業にしてくれたんだけどペアを作ってもいいらしいのですぐにマルガとペアを組む事にした どうやら一人でやろうか戸惑っていたけど私が誘ったら普通にペアを組んでくれた どうやら警戒はされてないみたい
そこで私はマルガについてかなり驚いた あんまり魔法陣について疎いはずの子が原理を聞いただけで魔法陣を一つ完成させたのだから 人が使う魔法のことを聞くぐらいだからあんまり魔法に関しての常識は無いみたいだから単純に発想がすごいだけ?それでもすごいけどねぇ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます