私は初めての買い物をする!
「じゃあ今日はお家に帰ってまた明日来ようか」
「おうち?..ああぁ!パパが買ったって言ってた奴か!」
「そうそれ、学校から近いらしいから外で待たせているメリーと一緒に家に向かって今日からそこで暮らすの」
「なるほど....」
「行こっか」
ドロシーと手を繋ぎながら外へ向かう 門のそばでメリーが警備員さんと雑談をしているが私とドロシーが手を繋いでいるのを見ると凄いドロシーの事を凄い目つきで睨んでいた こ、こわい...メリーってそんな顔が出来たんだ..ドロシーが何か悪い事したのかな?
「大丈夫?メリー、マルガちゃんがビビってるけど」
「あっ...大丈夫ですよマルガ様、私は怒ってないですよ」
「本当に...?」
「ええ本当です、だからそんな怖い物を見る目で見ないでください」
「...分かった...」
「じゃあ帰りましょうか、新しい家に」
メリーとドロシーと片手ずつ手を繋ぎながら新しい家があるらしい場所へと帰っていく 学校からの道なら覚えないと行けないからしっかり周りも見ないとね
「マルガちゃんそんなにジロジロ見てたら可愛い子供みたいだよ?」
「むっ..これは道を覚えようとしているだけだし」
「私かメリーが送り迎えするから覚えなくても大丈夫だよ?流石に一人で学校に行けなんて言わないもの」
「....覚えても特に問題ないもんね、絶対覚えてやる...」
「何を意地になっているんだか...あ、見えてきたよ」
ドロシーが指を指した先には二階建ての木造建築があり人が5人ぐらいまでならかなり余裕で住めそうな家だ
「あれ?豪華な家だねぇ...」
「よかったですねマルガ様、あれなら不満無く暮らせそうですね」
「私何処の部屋にしようかなぁ...」
「それは中に入ってから決めま...誰か居る?」
どうやらメリーが事前に鍵を貰っていたらしく鍵を開けようとしたのだが鍵が元々空いていたのか簡単にドアが開く
「おや..案外早かったですな」
「貴方は..もしかしてセバスチャンですか?」
「はい、お久しぶりですねメリー」
「ちょっとちょっと私とマルガちゃんは知らないんだけど...誰?」
「これは失礼しました、私セバスチャンと申します、昔ライル様の下で働いていて引退した身なのですがライル様がメリー一人では不安と申されて私に頼み事としてこの家のお世話をお願いしてきたので受けた次第でございます」
「...そういえばそんな事言ってたかも」
「えっ...私聞かされてない...」
「大丈夫ですよマルガ様、私も聞いてないですから」
そんなんで大丈夫なんだろうか・・・報連相が大事って偉い人が言ってた気がする
「じゃあ今日からよろしくねセバスチャン」
「ドロシー適応高くない・・・?」
「そんな物でしょ、それより私は書類を書いてからマルガちゃんと買い物デートしないと行けないから急がないと」
「部屋決めしよ!部屋決め!」
「私は何処でもいいですよ」
「私はマルガちゃんの隣の部屋でー」
「私は...二階の奥の部屋!」
やっぱり奥の部屋だよね、それも二階 何やっても怒られなさそう
「じゃあ私は二階の隣の部屋になるのかなぁ...」
「私はさっき何処でもいいと言いましたが仕事とかお世話もありますし一階の一番近い部屋がいいですね...」
「では私は..一階の適当な余り部屋を貰いましょうかね」
「取り合えず今から自分の持ってきた荷物を部屋に置いて少し休憩したら生活に必要な物を買いにいこっか」
「なら私とメリーで食料等を買いに行きましょう、マルガ様とドロシー様は....ドロシー様がマルガ様にお金の使い方を教えるんでしたよね?」
「確かそうだね」
「...うん?」
「じゃあマルガちゃんには後でお金の使い方を教えるとして一旦解散~」
◆◇◆◇
「荷物かぁ...私荷物全部空間魔法にいれちゃってるからなぁ....枕だけ置いちゃおっ」
元から置いてあるベッドに枕だけを置いてそのまま部屋を出る、今日からここで寝るのかぁ...一人で寝るの久しぶりかも ドロシーが来てからずっとドロシーがベッドの中に潜り込んでくる様になったからなぁ
「もう戻ってきたのマルガちゃん?」
「荷物少ないからー」
「じゃ行こうかっ、ついでにマルガちゃんはお金の使い方を勉強しようか」
「分かった...!」
外に出て向かうのは露店 買うのは前食べた牛串みたいなやつだ あの時食べたのは確かオークだっけ? 味が豚肉だったのはしっかり覚えているぞっ!
「マルガちゃんってライルからお小遣い貰わなかったの?」
「..貰ったけど....」
「なんで歯切れが悪いのよ、別に沢山貰ったからって怒ったりするわけじゃないのに」
「....本当に怒らない?」
「怒らない怒らない、それでどれだけ貰ったの?」
「.....」
私はドロシーの言葉を聞いて無言で革袋を渡した 怒らないって言ったのはちゃんとドロシーだからね
「ん?そのサイズの革袋だったら5枚程度しか入らないじゃない、金貨5枚あったとしたら確かに子供のお小遣いとしては多いかもしれないけどそれぐらいで怒らないわよ?」
「.......中身見て....」
「んー?...中身?...」
ドロシーが革袋の紐を解いていき中身を覗き込むと固まってしまった
「...マルガちゃん?」
「パパが渡してきたの、私その時価値分からなかったし」
「...見間違いじゃなければ白金貨3枚入ってるんだけど」
「渡された!」
「...はぁ..これに関しては完全にライルが悪いしいいや、マルガちゃん?それを人前で見せたらだめだからね?」
「...分かった...」
「じゃあ私から銀貨あげるからそのお金であそこで食べ物買っておいで」
「...初めてのおつかい...」
「そうそう、私の分も買ってきてね!」
ドロシーはそういいながら私の背中をぐいぐいと押してきた あれ?私一人で行くの?ドロシー着いて来てくれないの?
「ほら、早く行かないと売り切れちゃうよ?」
「わ、わかったよぉ...」
ゆっくりと一人で歩きながら出店の列に並ぶ 一人、また一人と買っていき遂に私の番になった
「お嬢ちゃん、何が食べたいんだ?」
「この串の奴を..二つ...ください」
「あいよ、お嬢ちゃんは可愛いから一つおまけで付けてあげるよ、熱いから気を付けてな」
「い、いくらですかっ...」
「銅貨八枚だよ、はい、銀貨一枚だから銅貨二枚のおつりだ、はい毎度ありー」
「..ど、ドロシー!買えたよ!」
「偉い偉い、じゃああそこのベンチで食べようか」
どうしてだろう 買い物なら前世で沢山しているはずなのにかなり嬉しい この体に精神状態を引っ張られている感じがする でも嬉しいからいいっか
初めて自分で買った串は熱々だったけどとても美味しかった。
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