私は初めて外に出る!②

 「マルガ様?足元に気を付けてくださいね?」

 「手をにぎにぎしながら言うな...それに私そんな子供じゃない」

 「マルガちゃん自分が3歳なの分かってる?」


 忘れていたけど私3歳だった てへぺろ


 「....でっかいなぁ」

 「何がですか?」

 「私の家...お城か...あんなに大きかったのかぁ...」

 「そうですね、マルガ様はあんまり広さを実感できる様な暮らしでは無かったですもんね、でも大丈夫ですよ、これから私とドロシー様と一緒にどんどん外に出て色んな物を見て色んな物を食べましょう」

 「メリー..うん!分かった!」


 といったほっこりするような雑談をしながら城下町まで下りていく お城から城下町まで下りるので30分ぐらいかかった どんだけ大きいんだ


 「疲れたぁ..」

 「大丈夫?おんぶしてあげようか?」

 「...いいの?」

 「もちろんだよ?マルガちゃん程度なら全然重くないしね」

 「....大丈夫、頑張る」

 「ここで頑張っても特に何もないけどねぇ?」


 私にだって小さい小さい意地があるのだ 別に体をくっつけるという行為にドキドキするからとかじゃない ないったらない


 「屋台だぁ!何の肉売ってるんだろう?」

 「牛とかオークとかじゃないかな?」

 「おーく?」

 「あー...メリー?教えてないの?」

 「マルガ様は今までの知識は基本図書館の本で身に着けた物ですから..偏ってるのはしょうがないかと」

 「あー..先生ってそこらへんも含まれているのかなぁ..後でライルに確認しないと」

 「おーくってなんなの..美味しいの?」

 「オークは森に居るモンスターだね、肉が美味しくてよく冒険者達に狩られているけど最低限の強さが無いと倒せないモンスターだね」

 「...冒険者...モンスター...」

 「そういう知識から?」

 「私魔法の勉強がしたくて沢山本読んだけどそういう本は一回も読んでないなぁ..」

 「明日魔法の勉強じゃなくてそういう勉強する?」

 「....悩みどころ、取りあえずお肉買いたい!お金ちょうだい!」

 「私が買ってあげますよ、どれですか?」

 「これ!」


 と言って私はオークの串焼きを指さす やっぱり初めての味は気になるよね 絶対に変な味か美味しい味だよ やっぱり試さないと


 「おっ!お嬢さんうちの店を選ぶとは流石だな!ほれ!熱々なのともう一本サービスだ」

 「えっ..それは申し訳ないです」

 「子供が何言ってるんだ!貰える物は貰っときな!それに美人さんにはサービスしたくなるものだ!」

 「びじっ...うぐぅ...じゃあ貰います」


 いきなり美人なんて言われたら恥ずかしくて照れてしまう それがリップサービスの適当な言葉でも


 「マルガちゃん褒められてないのは分かるけどそれくらいうまい感じにあしらえる様になろうね」

 「うるさぁい!」

 「あんまりマルガ様をからかわないでください..マルガ様熱いので気を付けてくださいね?」

 「ありがとう...はふっ!?...はふっ...はふっ...ふぅー..ふぅー...はふっ」


 かなり熱くて一回食べた後にびっくりして口から出してしまった その後は何回も息を吹きかけて食べる様にしたんだけどそれでも熱い この体は猫舌なのか まぁ猫だもんね


 「....ん?どうしたの?二人してこっちみて」

 「マルガちゃんその食べ方はあざといよ」

 「マルガ様..可愛いです」

 「こっち見るな!」


 変態どもがニヤニヤしながら私が食べてる姿を見ている 熱い物はしょうがないじゃない


 「じゃあ今日は疲れただろうし食べながら帰ろうか」

 「えっ..歩きながら食べてもいいの?」

 「それはそういう商品だからね」

 「マルガ様?帰りは私かドロシー様の背中に乗りますか?」

 「うーうん、手つなぐー」


 そういいながら私は急いでオークの肉串を食べる 冷めたら食べやすくて美味しい というかオークの肉の味が完全に豚肉・・・

 食べ終わると待っている二人の手を握りながら一緒に歩く 

 今日みたいな時間がこれから毎日沢山あるといいな


 帰った後に筋肉痛になったのは言うまでもない 明日から歩く練習もしないとね

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