第50話

さっきは右を選んだから、その順番で真ん中の道を選ぶ。

道が消えると困るから、少し走って進む。

やっぱり行き止まりだった。

もう少しよく調べようかとも思ったけれど、時間をかけたくなかったので、急いで帰ってきた。

広間に戻って振り返ると、すでに道は消えていた。

やっぱりここに戻ってくると道がなくなるのかな。

一度しか同じ道は選べないらしい。

さて、残った道は左の道ただ一つ。

この道も行き止まりだったら、元来た道を引き返すしかない。

それか無理矢理壁をぶち壊すか。

でもここの壁、妙に頑丈で、槍でも壊せないんだよなぁ。

まぁとにかくこの最後に残った道を確認しなきゃどうしようもない。

どうか前に進めますように。

なんとなく祈りながら道を進む。


あった。

今目の前にはドアがある。

他の2つの道の先にはなかったやつだ。

やった。

やっとだ。

やっと前に進める。

思わず、ウッヒョヒョヒョイ!とわけわからないことを叫んでしまった。

だがしかし!

………

鍵穴がある。

あの!

あの忌々しい鍵穴だ。

……なんか今までのアレで変なトラウマがついたような気がしないでもない。

さて、今僕は一本の鍵を持っている。

これいつゲットしたやつだっけ?

宝箱型のモンスターの時だったかな。

うん、たしかそうだ。

みんなも忘れてるんじゃないかな?

ん?みんなって誰だ?

まぁそんなことはどうでもいい。

問題はこの鍵がこのドアの鍵かどうかだ。

これまでの(ドアとの)戦いを思い出す。

あぁ色々あったなぁ。

まずは鍵を使わずに開けれるかどうか試す。

前に鍵がかかってなかったことがあったからね。

押したり引いたり上げたり下げたり語りかけたりしたけどドアは開かなかった。

やっぱり鍵がかかっているのかな。

これでもしこの鍵じゃなかったら……

膝から崩れ落ちるのが容易に想像できる。

下手したら発狂するかも。

だってせっかく前に進めそうなのに、また鍵を探しに戻らなきゃいけないから。

しかもこの道もいつまであるか分からない。

他の道みたいに消えてしまうかもしれない。

それは絶対に避けたい。

鍵を探しに行って、戻ってきたときには既に道は消えていた、

みたいなのは嫌だ。

僕に残された道はただ一つ。

このドアを開けて前に進むことだ。

あ、今のは別に、今僕がいるこの道自体が最後の道だとかそういうのをかけているわけじゃないからね。

本当に違うからね。

今自分で気づいてちょっと恥ずかしく思ってるくらいだから。

おほん。

えへん。

……なんか威張ってるみたいになった。

ともかく、

この鍵に全てを託す。

頼む、開いてくれ。

神様仏様じいさまばあさまアニサマ

ええい、ままよ!

あ、父さんだけ仲間はずれ……

いや、別にままよのままはお母さんのことじゃないか。

モタモタしつつ、鍵をさす。

ささった!

次だ。

お願いします。

どうか回ってくださーーーい!

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