第49話

状況を整理しよう。

僕はさっき右の道を選んで、行き止まりだったからあのまるい広間に戻って来た。

それに一本道だったので迷うはずもない。

……

僕の目の前には3つの道がある。

いや、さっきも道は3つだっただろって?

そりゃそうなんだけど、それは進む選択肢がって話。

今、この広間には

そう、さっきこの広間に来た時に通ってきた道を含めて。

ここに戻ってきて、ふと気づいたらそうなってた。

どっか別の場所に来ちゃったのかな?

いや、一本道だったしそれはないか。

それとも、道が1つなくなったのかな?

というか道がなくなるってどういうこと?

……まぁ、ゲームの世界だししょうがないか。

改めて確認してみる。

うん。

今さっき選んだ道がなくなってるみたいだ。

さっき3つにわかれてた道のうち、右の道がなくなっていて、真ん中と左しかない。

今は道が2つしかないのに真ん中っておかしいかもしれないけど、便宜上そう呼ぼう。

ふむ、一度通ると道が消えるのかな?

もし道が消えるのが僕がまだ道の途中にいる時だったら……

考えただけでゾッとする。

時間制限とかがあるのかな?

それともここに戻ってきてから消えるのかな?

う〜ん、やっぱり少し怖いから、ここでしばらく待っておこう。

え、なんでかって?

だってもし時間制限だったら、いつからがそのカウントのスタートか分からないじゃないか。

さっきの道に入った時からだったらもう結構時間が経ってるし。

さっきの道が消えてから時間をおいて連鎖的に道が消えるかもしれない。

そうなったら困るから、しばらくはここで様子見をしておく。


それからだいぶ時間が経っても道に変化がなかった。

やっぱり消えるのは一度入ってからか。

でも、いつまでもここで立ち止まっているわけにはいけない。

よし、次の道を選ぼう。

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