第40話

次の部屋には何も無かった。

いや、だってそう書いてあるし。

部屋に入ると、目の前には

『ないよー!何もないよー!』

と書いてある紙だけがあった。

なんだろう?

煽っているのかな?

喧嘩を売ってるなら買って差し上げなさってもよろしいのでございますが?

ダメだ。

さっきのはずれの紙のこともあってなんだかイライラしているみたいだ。

自分でもなに言ってるかさっぱりだ。

深呼吸。

……

よし。

紙は破り捨てる。

この部屋のことは忘れよう。


次の部屋は……

うわっ、また鍵穴がついてる。

はぁ。

鍵を取り出して試してみる。

くっ、

今度は鍵穴に入りさえしない。

またダメか。

本当にこれはどこの鍵なんだ?

というかあの部屋の鍵もこの部屋の鍵も探さなくちゃいけないのか……。

ドアに手をついてガックシとうなだれていると、

ガコンッ

とドアが開いた。

……

深呼吸、深呼吸。

…………

……………

鍵かかってないのかよーーーー!

ないのかよーーー!

かよーー!

……心からの叫びはどこまでもどこまでも響いたという。

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