第30話

しばらくしてから、穴の中をよく確認することにした。

あの時はモンスターをどう対処しようかで必死でよく分からなかったけど、

こうして赤い石を拾っていると、改めて数の多さに驚く。

いやぁ、よく生き残ったな、僕。

自分で自分を褒める。

自我持参だ。

違う、自画自賛だ。

自我を持ってきてどうする。

穴の中に残っているのは大体が赤い石だけど、たまに違うのも混ざっていた。

おお、盾だ!

盾がある。

軽いけど、大丈夫かな?

強度を確かめる。

ただの石で思い切り叩く。

流石にこれくらいじゃ……

あ、ひびが入った。

……石で?

これはいらないかな。

他には………

あ!袋だ。

何が入っているんだ?

中を見てみると、豆のようなものが入っていた。

謎の豆。

食べれるのか?

まぁべつに僕はなぜか食事をしなくても平気なんだけど。

それにこんな怪しい豆を進んで食べようとは思わない。

それよりも気のなったのがこの袋。

僕は籠は作れるけど、袋は作れない。

この世界で初めて袋を見た。

……よし。

中の豆を出して袋だけを回収する。


他にも色々あったけど、よく分からないものが多かったので、放置しておいた。

そしてしまいには剣だ。

かなりかなり重い。

試しに振ってみる。

ぐぬっ、使いにくい。

僕には槍の方があってるらしい。

これはいらないかな?

槍がひとつだけあったので、それを回収しておいた。

これは丈夫そうだから、今までのを投げる用にして、

これを手で持って使う用にしよう。

今までのは本体が木だったからね。

そういえば、クナイを作ったけど、

あれはもっぱら何かを削ったり、赤い石を割ったりするのに使っている。

接近戦用だったんだけどなぁ。

まぁ用途が変わるのはよくあることだね。

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