第4話

あのウサギもどきから必死に逃げた。

もうこれ以上走れないと思って、足がもつれる。

そのままの勢いで地面に倒れ込み、すぐさま後ろを確認した。

……いない。

どうやら無事に逃げ切れたみたいだ。

……

うぅっ。

怖かった。

怖かった。

最初はあんなにかわいいと思ってたのに。

今では恐怖しかない。

いつか僕もあんな風に食べられるんじゃないか。

考えたくないけど、つい考えてしまう。

したくもないのに想像してしまう。

ダメだダメだダメだ考えちゃダメだ、

足から、手から、頭から……

うわぁーー!


よし、もう生き物なんて言うのはやめよう。

あれはモンスターだ。

どんなにかわいいからと言って、

それが友好的だとは限らない。

さっきの脚のやつみたいに僕も食べられるかもしれない。

いつ襲われるかわからないけど、

とにかく逃げよう。

今の僕にはあんな奴らと戦う力はない。

でも、逃げてばかりじゃダメだから、

どうにかして戦う術すべを探さないと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る