第39話 グダグダ生徒会と遠足
入学式が終わって新入生も学校に慣れ始めた、5月の初週、ゴールデンウィークが終わり、そろそろ五月病患者が出始めるだろこの日、俺はあることを問題視していた。
「遠足まであと一週間しかないのに、場所決まってないってどういうことだー!!」
「仕方ないだろ、季節外れのインフルエンザと、マイコプラズマ肺炎が重なったんだから。」
「先輩は体弱すぎですよ。だいたい、そんなに休んだら推薦取れませんよ。」
「残念だが、どちらも出席停止の病気だから推薦に影響しないんだよ、お前は馬鹿なんじゃないのか春川」
「年下の後輩に馬鹿とか言わないで貰えますか?」
「すまん、俺は馬鹿には馬鹿というのは、死んでも治らない病だと思っているよ。」
「言いやがりましたね、もうこれ生徒会案件ですよっ!!」
「俺は会長、お前は書記だ。だから俺が上で、お前は下っ端だ!!」
「キィーーーーーッ!!」
「はいはい、終了終了!!とりあえず、遠足の準備だ。で、どうするんだよ修」
「……そうだな、雑談はこの辺にして会議を始めよう」
「チッ、今日のところは裕太先輩に免じてこの辺にしておきましょう。じゃあ、会議を進めてください会長」
「チッ、なんで命令されなきゃいけないんだよ。まあいい、さっさと始めないと下校時刻になってしまうからな」
俺たちはいつものようにグダグダ会議を始めた。
30分後、会議は無事終了。
「さて、最後に今回の遠足場所でのルールについてだが……」
バンッ!!
生徒会室の扉が勢いよく開いた。
「お、やってんなーお前ら」
「いつも扉は静かに開けてくださいって言ってるでしょ、柊木先生!!」
「すまないな、つい癖でよーww!!」
「全く、これだから先生は結こ・・・・・・」
「よぉし修、お姉ちゃんとお話しようか!!」
「おい、教師が生徒を拳で脅していいのか、このバカ姉貴!!」
「私が今相手にしているのは、弟であって、生徒ではない!!」
「あの柊木先生、その辺にしておかないと、また校長先生に怒られますよ」
「まあ、そうだよな〜・・・・・・、修、家帰ったら覚えてろよ?」
「嫌だね。明日は遠足なんだぞっ!!お前に怪我させられるのは絶対ゴメンだね」
「ほお、言うようになったじゃねぇか!!なら、お姉ちゃんには必殺技があるんだから。ねぇねぇ春川さん、実はね、修のベッドの下の禁書はね、全部・・・・・・」
「何書記に吹き込んでんだよ、このバカ姉貴!!」
「痛ったいな〜、あんた、女を殴るなんて最低ね!!」
「いいや、お前は女には含まない!!」
「よぉしもう容赦しないから!!」
「ああ?なんだとこのクソ姉貴!!服全部剥いて校門の前に磔してやるよ!!」
「あ、あの〜、ヒートアップしてるところ悪いが、俺帰っていいか?」
「は?この状況で帰るとかどうかしてるね、冴河!!」
「いや、時間見ろや!!とっくに下校時刻過ぎてんだよ!!」
時計は既に7時前を示していた。
「そうだな、今日のところは解散だな」
「おう、お疲れ様」
「ああ、俺は帰るぞ。春川、もう遅いし送っていくよ」
「やったー!!じゃあ、お言葉に甘えて!!」
「先生たちも、早く帰ってくださいね!!」
「ああ、このバカ姉貴を倒したらすぐ帰る」
「このアホ弟を潰したら連れてすぐ帰る」
「まあ、程々にしてくださいねー。じゃあ、お先でーす」
俺と春川は、柊木姉弟を放置して帰宅を始めた。
「なんか、先輩と一緒に帰るの久しぶりですね」
「そうだな」
「先輩、手繋いでいいですか?暗くて怖いから・・・・・・」
「別にいいけど」
「わーいやったー!!じゃあ、失礼して・・・・・・」
「なんでこうなるんだっ!!」
「えー、別にいいじゃないですか。先輩も、こっちの方がいいでしょ?」
「確かに腕を組むのはいいが、なんでそんなに身体をくっつけてくるんだ?」
そんなにこいつ、自分に自信が無いのか?
「べ、別にいいじゃないですか!!何か問題でもあるんですか?」
「まぁ、あるっちゃあるんだなー、これが・・・・・・」
小さいけど、しっかり当たってんだよ。
「あれ〜、先輩、顔真っ赤ですよ〜」
「別に、なんか、照れるな〜とか思ってたわけじゃねぇし!!」
「ほんとかな〜?」
「本当に決まってんだろ!!」
「まぁ、今はそういうことにしておきましょう」
「てか、お前は本当に恥ずかしげも無くそういうことできるよな〜・・・・・・」
やっぱり男慣れしているからなのか?
「絶対俺以外の男にもしてるだろ?」
「な、な、な、なにいってるんですか!!私だって、こんなことする人はほんのひと握りくらいの人しかいないんですよ・・・・・・」
「そ、そうか・・・・・・」
何その可愛い反応、惚れちゃいそうなんですけど!!
「そろそろ、駅着くぞ!!」
「嫌です」
「なんでだよ・・・・・・」
「今日は帰りたくないんです、家に」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味ですよ、今日は先輩と一緒に居たいんです」
「ダメだ」
「なんでですか?」
「春川、俺はお前とそういう関係になりたいと今は思ってない」
「今はってことは今後、そういう関係になるかもしれないってことですね?」
「まあ、絶対にないってことは生きている中では、無いからな」
「なら・・・・・・」
春川はさっきよりも近く、そして、キスするかしないかのギリギリで止まった。
「・・・・・・!?」
「先輩、私が先輩を奪っても文句言わないってことですよね?」
近い近い近い近い!!
「どう、なんですか?」
あざとい、でも可愛すぎる!!
「だけど、以外と俺はチョロくないぞ!!それでもいいのか?」
「当たり前じゃないですか!!先輩と私が付き合って、結婚することは決まってるんですからねっ!!」
「そうか・・・・・・、なら、他の女の子に取られないようにしないといけないぞ、櫻」
「なっ!?・・・・・・先輩は、やっぱりずるいです」
「そうか?」
「はい、とってもずるくて、優しくて、かっこいい、最高の先輩です」
「かっこよくはないと思うけど・・・・・・、まあ、櫻がそう思ってくれてることは、嬉しいぞ」
「はいっ!!私も、先輩が喜んでくれて、とってもとっても嬉しいです!!」
「そうか・・・・・・」
俺は櫻の頭を撫でた。
「にゃっ!?あの、せ、先輩、これは一体どういう・・・・・・、ひゃっ!?」
俺は、そのまま櫻を抱きしめた。
女の子の体温が服越しにわかる。そして、櫻の心拍数もさっきよりも早くなっている。
「ありがとう、櫻。こんな俺を好きになってくれて」
「私は、先輩がいいんです。先輩じゃないといけないんですっ!!だから、誰かのじゃなくて、私のになってくれませんか?」
「・・・・・・ごめん、それはまだ答えを出せないんだ」
「知ってます。大好きですよ、冴河裕太先輩」
「俺も、櫻のことは好きだぜ。さあ、そろそろ電車来るだろ?」
俺は櫻を離した。
「先輩、耳貸して貰えますか?」
「まあ、いいけど」
俺は少しかがみ、櫻の顔辺りに耳を傾けた。
「あのですね・・・・・・」
「えっ!?」
櫻は俺が耳に意識を集中している間に唇を強引に奪った。
「うへへ、先輩、甘いですよ」
「・・・・・・えっ、はっ、ちょ、ちょっと櫻!?」
「じゃあ、電車来るので、また明日です!!じゃあね〜、裕太先輩っ!!」
「あ、ああ、じゃあな、櫻・・・・・・」
こうして俺は後輩からのアタックにも対処しなければならなくなった
_________________
(あとがき)
みなさん、こんにちは!!汐風 波沙です!!
久しぶりに、雨コンの更新です!!今回は、春川 櫻ちゃんのアタックでした〜。
最近は、Twitterの日常垢を設置したり、新生活開始などで忙しく、更新することができませんでしてが、今後は、もっと早く更新できるように頑張っていきたいと思いますので、今後とも、自分の書いている作品をよろしくお願いします!!
良かったら、作品のフォロー、応援、レビューや、星を頂けると、今後のモチベーションに繋がるので、よろしくお願いします!!
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