第38EX話 新学期、それは運命の出会い

「ふんふふ、ふ〜んふ〜ん」

 今日の私は機嫌がとてもいい。

「やっぱり、新品はいい。」

 新しい学校、新しい制服。

「あ、スマホスマホっ!!」

 高校の合格祝いに買ってもらった新品のスマホ、

「・・・・・・、よしっ、これでどこからどう見ても高校生だねっ!!」

 私はヘアピンを着け、洗面台の鏡で髪型を確認した。

 今日はいつもより上手くいっている編み込みも、きっと誰も反応しないだろな〜。

「早くしないと、入学式間に合わないわよ〜!!」

「今行く〜!!」

 今日は私の入学式なのです。

 そう、私、華月かづき 夜空よあは、今日から百日草高校の1年生になるのです。










「新入生の皆さんは、こちらで受付をお願いしま〜す!!」

 私は母と共に校門をくぐった時、若い女の先生が受付案内していることに気がついた。

 私たちは、受付で資料処理を済ませて、

「じゃあ、お母さん。また後でね。」

「うん、また家でね。」

 それぞれ体育館と教室に向かった。






 下足室前には、クラスが書かれている掲示板があった。

「・・・・・・あ、私3組か」

 あまりうるさい人いないといいな。

 そう思いながら、私は上履きに履き替え3組の教室に向かった。







「・・・・・・」

 私はまず、自分の目を疑った。

 なぜなら、私以外全員既に席に着いていたのだ。

 は?

 意味わからんやろそれは!!

 なんで私遅刻した雰囲気出てんの?

 まだ集合10分前やぞ!!

 ふざけんなし!!

 とりあえず、一旦落ち着こう。

 よし、落ち着いた。

「・・・・・・」

 私はとりあえず、私の席らしい窓側から2列目の前から4番目の席に座った。

 なかなかいい場所だ。

 私はその後10分間ほど、大人しくしていた。

 ガラガラガラ

 教室の前のドアが開いた。

 一人の女性が入ってきた。

 カツカツカツカツ

 彼女は足音を立てながら、教卓の前で止まった。

「私は今日からお前たちの担任になる、立花たちばな あかねだ。とりあえず、この後は体育館に移動して入学式だ。じゃあ、移動してくれ」

 その合図で、クラスのみんなは移動を始めた。

 私も同じように移動を始めた。










「___として、祝辞とさせていただきます。」

 校長や、教育委員会のくだらない祝辞を聴きながら、入学式は淡々と進んでいき、

『生徒代表挨拶、代表者は冴河 裕太さんです。』

 また、くだらない話をするのだろうと思いながら、私は登壇した生徒を見た。

「えっ・・・・・・!?」

 なんで?

 なんであんなに目が死んでいる人が、あの場所に立っているの?

「新入生の皆さん、こんにちは。生徒会副会長の冴河 裕太です。本来であれば、生徒会長が挨拶をするのですが、今回は、その生徒会長が欠席せざるおえない状況であったため、副会長の私が、生徒代表挨拶をさせていただきます。」

 あれ、さっきまで目が死んでたのに、話し始めたら生き生きとした目をしている。

「例年だと、ここで祝辞を読むのですが、今年は用意出来てないので、僕の学生生活について話します。本来であれば、僕は今年のうちに結婚する予定でした。」

 会場がどよめいた。

「もう、僕の大切な人はもう戻っては来ないし、僕に微笑んでくれない・・・・・・」

 会場は、静まり返った。

「だから、皆さんは一瞬一瞬を当たり前だと思わずに、大切にしてください。そして、悔いの残らない学校生活を送ってください。以上で、僕からの生徒代表挨拶を終わります。」

 一礼し、副会長は降壇した。

 その後は入学式が足早と進んでいき、入学式は終わりを迎えたが、私の心には、あの人の言葉が突き刺さったままになって、モヤモヤしている。






「では今から、全員自己紹介をしてもらう!!やり方は、私の質問などに大きな声で答えるという、質問形式で行く。」

 そう言うと、彼女は出席番号順に質問をし、答えさせるという形式をしながら、なにやらメモをとっていた。 あまり気にしないでいいのかもな。

 私は、出席番号は早い方なので、すぐに順番が来た。

「じゃあ次は、華月。とりあえず、スリーサイズ教えろ」

「は?」

「だから、スリーサイズだよ!!」

「嫌です」

「そうか。じゃあ、質問を変える。今までの経験人数は?」

「0です」

「処女と・・・・・・、じゃあ次は」

「いや、ちょっと待ってください!!」

「どうかしたのか?」

「経験って、恋愛じゃないんですか?」

「そんなもん男以外にありえないだろ。もうこの際だから言うぞ、この学園では昨年、男子生徒が女子生徒に暴行する事件が起きた。だから今のうちに、守れそうなのと、大丈夫なやつで分けているのだ。それがわかったんならさっさと答えろ」

「・・・・・・っですか」

「はあ?なんだ、文句でもあんのか?言ってみろよ!!」

「なんであなたに指図されなきゃ行けないんですかっ!!」

 教室は静まり返った。

「なんだ、不満なのか?」

「はい、大いに不満です。私は私の個人情報の流出は、最小限に抑えたいと思っていますから。それに、」

 私は教卓の前まで移動し、立花先生の顔を指し、

「私はあなたのようなデリカシーのない人は、大っ嫌いなんです!!」

 教室に私の声が響き渡った。

「・・・・・・っふ、ふはははは!!」

「何がおかしいんですか!!」

「いや、生徒で私の前まできて不満をぶつけてきたのは、2人目だよ。」

「1人目って誰なんですか?」

「冴河 裕太、今年の副会長だ!!」

「・・・・・・ッ!?」

「まあ、普通その反応を見れば、全てを理解できる。ズバり言うと、お前は冴河のことが好きなんだろ?」

「わかりません。」

「は?」

「私にはわからないんです。この感情はなんなのか私にはわかりません。」

「そうか、じゃあ席に戻れ。」

 と言われ席に戻った。

 その後も、自己紹介が続き、結局私はこの気持ちが何なのかの答えを見つけれないまま、私は家に帰った。










_________________

(あとがき)

 皆さんこんばんは、汐風 波沙です。

 今回は、新ヒロインという新たな勢力を投入致しました。

 この作品は、今からちゃんとラブコメします。

 良かったら作品のレビューや、応援、フォローを頂けると幸いです。

 今後ともこの作品、そして、自分の書いている作品をよろしくお願いします。

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