第四章

第37話 俺と仲間のある日のお泊り会

 3月のある日、俺は新学期の用意をするために、学校のある方の町の書店にやってきていた。

 俺も、来月から3年生か。この高校生活、早く感じたな。

 俺は副会長としての業績も、かなり増えてきており、校内推薦も取れそうだった。

 教科書販売は、ここでやってるんだよな?でも、ここ、うちの生徒ほとんどいないじゃんっ‼

「あ、あの、何かお探しですか?」

声のする方に振り替えると、可愛らしい店員が俺に話しかけていた。

「あ、いや、教科書を買いに来たんですが、どこに行けばいいのかわからなくて……」

「どこの生徒さんですか?」

「えっと、百日草高校です。」

「あ、それでは、こちらですね。」

店員さんは、俺の前を通って、レジの方に向かった。

俺もついて行った方がいいのかな?

俺は店員さんの後ろをついて行った。

「……こちらになります、ねっ‼」

‶ドスンッ″

レジの台に第二いたときに、少しレジが揺れた。

「こ、この量ですか?」

「はい、こちらになります。」

「は、はあ……」

その量は、まるで、ライトノベルが段ボール1つ分に入っているような状態の段ボールだった。

「あ、あの、これ、いくらですか?」

「こちらは無料配布だと聞いていますが?だって、百日草高校の副会長の方ですよね?」

「はい、一応、副会長ですが、でも、これ無料なんですか?」

「はいっ‼こちらは、副会長サイズです。ちなみになんですけど、会長サイズは、これ二つ分なんですよ。」

「そ、それは……」

修、ご愁傷さま。

「ところで、これ、教科書以外何が入ってるんですか?」

「大学のパンフレットと、問題集がかなりの量は行っていますね。」

「これ、郵送でうちに送ってもらうことって……」

「できますよ。では、こちらに住所を記入ください。」

「はい。」

俺はいつも通り、郵送用の用紙に住所、部屋番号を記入して、店員さんに手渡した。

「ところで、例のアレ、入荷してますけど、購入していきますか?」

「本当ですかっ⁉」

「はいっ‼ライトノベルコーナーは、そこの角を曲がって一番奥ですよ~。」

「ありがとうございます。」

忘れていたが、今日は、俺の読んでいるラノベの新刊の発売日だったのだ。














俺は、お目当てのものを購入し、マンションに帰宅した。

「さて、買ってきた本でも読もうか、な?」

ポケットに入れていたスマホが少し振動した。

「あ、氷雨からだ。」

『HISAME: 裕太、今日一晩だけ、泊まらせてくれない?』

『YUTA: どうかしたのか?』

『HISAME: 今日、姉ちゃんが、男連れ込んでるからさ。』

『YUTA: いや、帰れよ‼︎まあ、いいや。ちゃんと着替え持ってこいよ。』

『HISAME: ありがとう!!やっぱり、持つべきものは親友だな。』

『YUTA: はいはい、早く来いよ。俺、夕飯の買い出し行きたいからさ。』

『HISAME: わかった。すぐ行くから、待ってろ。』

『YUTA: カッコつけすぎるなよ、親友。』

『HISAME:わかってるよ。じゃあ、今から行くから。』

『YUTA: 了解〜』

こうして今晩は、男二人の一夜になることになった。

「あ、あいつ来るなら、食材足りない……」

買いに行くか。

俺は、部屋の鍵を締め、ロビーに降りた。

『YUTA: 部屋の鍵、管理人さんに預けてるから。』

俺は氷雨に、メッセージを送り、近くのスーパーに向かった。











スーパーに着き、俺はまず、生鮮食品売り場に行く。

なぜなら、時々、めちゃくちゃ安いときがあるからである。

「まあ、男二人だから、野菜食べないよな〜……」

ただ、食べないとまた、結衣に怒られるんだよなぁ〜……

"ピコ〜ン"

スマホの着信音が鳴った。

「あ、氷雨だ。……、まあ、いいか。他に特に何もいらないと言ってることだし。」

アイスか……

少し高いやつ買っていくか。

「いらっしゃいませ、なにかお探しですか?」

「いえ、ちょっと食糧買い出しに来ただけですから、お気にならさず。」

「いえいえ、逆に店員の立場からいたしますと、もう10分近くも同じ場所にいらしていると、気にしないわけがありません。」

「そうだ、確かに……」

動きすぎるのも怪しいけど、動かなすぎるのも、怪しいよな。

「すみません、少し何を買うか悩んでいただけです。」

「そうですか、ならいいですケド……やっぱり怪しいですね。店長呼ぶので、このまま待っていただいてよろしいですか?」

「まあ、急いでないので、いいですけど。」

「協力ありがとうございます。」

それから数分後、店長らしき人がやってきて、持ち物の検査をして、その後、買い物をして、俺は、自分の部屋に戻った。










部屋に帰ると、よく見るスニーカーが、あった。

「お帰り、裕太。」

「まあ、お前のことだから、いると思ってたよ、氷雨。」

「あと、私もいるから。」

「なんで結衣までいるんだよ!!」

「居て何か悪いの?」

「いえ、何も悪くありませんっ!!」

「なら、今日は、私も泊まるから。」

「泊まりはちょっと、遠慮してほしいですが……」

「何が言いたいわけ?」

ごくんっ!!

俺は生唾を飲み、覚悟を決めた。

「つまり、俺たちが、協力して襲うかもしれないっていうことだよっ!!」

「別にそのくらい、構わないわよ。」

「……は!?」

「むしろ、襲ってくれたほうが、私的には、嬉しいかな。」

こいつ、壊れていやがる。

「わかった。泊まるのは許可するが、寝室は、俺が使う。」

「うん。」

「お前ら二人は、リビングに仕切りを立てて布団敷いて寝ろよ。」

「裕太、僕を見捨てないでくれよ〜……」

「チッ!!今日は藍澤だけかっ!!」

「そうだな。ちなみに、俺は絶対お前とは寝ないかな。」

一晩中させられそうだからな。

「まあ、いいわ。ゆうくんは、今度ゆっくりいただくから。」

やっぱり俺も逃げ切れなさそうだ……

「話変わるけどさ、夕飯何?」

「俺、お前の母親じゃないんだけどな……、今日は、ホットプレート出して焼き肉だっ!!」

「「やった〜〜〜〜〜〜!!」」

やっぱり、コイツら、相性良すぎたよな。

「とりあえず、準備するぞっ!!」

「「お〜〜〜〜〜〜!!」」

こういうときだけ、元気がいいんだよねっ!!

俺たちは、焼き肉をする準備をし、肉を焼き始めた。

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