第34話 新旧生徒会役員会議②

「次の議題だが、生徒の非行についてだ。先日、退学になった2名の生徒、冴河には、ものすごく印象があるよな?」

「ああ、あの2人は、最悪だったよ。」

俺は片方に最愛の人を殺され、もう片方には、ぶん殴られた。

「その二人には、舎弟がいて、そいつらは、まだ学校に残っている。」

「今後も続くんですかね。」

「いや、今舎弟だった奴らはかなりまじめに勉強している。」

「は?」

「つまり、脅されて舎弟やってたんだよ、そいつら。ただ……」

「ただ?」

「そいつらも、たばこや飲酒、そして、レイプまがいのこともやっている。」

「なんなんですか、それ。」

「こちらとしては、現行犯じゃないため、退学処置や停学処置、ましては留年処置もできない。」

「なら、どうするんですか?」

「今後も、監視を続け、また道を踏み外すようなことがあれば、次は、それ相応の対応をする。」

「そのためにも、貧弱な会長だけじゃ、男手が足りないわね。」

「そうね。もう少し、いい感じの男手があればなぁ~」

「あの、皆さん、俺にプレッシャーかけるのやめてもらえます?」

この会長ひょろいけど、柔道と空手黒帯だからさ、俺よりも強いんだよ?

「まあまあ、冴河にそこまでプレッシャーをかけてあげるな。こいつはプレシャーがかかるとすぐ逃げ出すんだぞ‼だから、ゆっくりと洗脳していけば何とか……」

「あんたがやってること一番恐ろしいんだよっ‼」

あ、まずいっ、つい突っ込んでしまった。

「まあ、冗談はマイケルだけにして。」

「おい、まだ何か間違ってるぞっ‼」

「染まないな、いや、相変わらず、冴河は面白いな。」

「何がっ⁉」

「そういう反応がだよ。」

「そうね。私が会長の時も、よくボケたら突っ込んでくれてて、副会長の子よりも助かってたかもしれないわ。」

「なぜか私ディスられてるような気がするんですけど?」

「大丈夫っ、お姉さんは、いっちゃんのことは、大好きだからっ‼」

「もうっ、すぐ抱き着くのやめよっ、私は、あなたの彼氏でも妹でもないのよっ‼」

「でも、友達だよね?」

「そうだけど……、友達なら、まあいいか。」

納得しちゃうんだ。

「まあ話は脱線したが、酒やたばこだけなら、まだいいんだが、あの二人から、実は覚せい剤の反応が出たんだよ。」

「えっ⁉」

「マジか~」

「それ本当なんですか、会長っ⁉」

「ああ、事実だ。さらに、そいつらは、両者ともに、ヤクザと繋がっている。」

「どこなんですか、そのヤクザって。」

「虎ヶ海会と鴉空組の2つだ。」

「そう、ですか。」

よかった。龍ケ原っだったら、俺、本家に行かなきゃいけなくなっていた。

「でも、なぜ、ヤクザがあの二人に?」

「この辺りは強いヤンキーがいなかったからっていうのと、この辺一帯は、龍ケ原グループが牛耳っているからなんじゃないのか?」

「なるほど、嫌がらせ的な?」

「ああ、たぶんそうだろう。」

「ところで、さっきからあまりしゃべらなくなったけど、どうかしたの、冴河君。」

「じ、実は俺、龍ケ原グループの会長と関わり、いや、戸籍上の親戚になってるんですよ。」

「はぁ⁉なんでっ、いつからだっ⁉」

「夏休みの、あの事件から。」

「そう、だったな。雨沢刑事は、龍ケ原十四文の息子さんだったな。」

「はい、そして、俺の義理の父でもあります。」

「「「「「えっ⁉」」」」」

「あ、言ってませんでしたね、俺の母親再婚したんですよ。そして、俺と雪乃先輩は、義理の姉弟になったんですよ?」

「だから雪乃ちゃん、私にあんなこと聞いてたんだ。」

「何って聞いてきたんですか?」

「『新しく、弟ができるのってどんな気分?』って。」

「なるほど、そこから推測なんてできないよな。」

「まあ、話を戻すが、ヤクザとの接触事態も避けたい。だから、監視をする手伝いを、先生方、そして、旧役員の方々に集まってもらったんです。」

そういうと、柊木は、立ち上がり、頭を下げた。

「お願いしますっ‼俺に協力してくださいっ‼」

「頭を上げて、ひ~くん。私は、最初から協力するつもりだし、ここにいる生徒、先生方は、協力するために来たんだよ?」

「えっ⁉」

「わざわざお願いしなくても、お姉さんたちは、協力が必要なら、呼べば飛んでくるのよっ‼」

「佐伯先輩……」

「ということで、みんな、明日から、頑張ろうっ‼」

「「「「「オォーッ‼」」」」」

こうして、今後、俺のしていくことが決まってしまった。

「ねえ、冴河君。どうしてこうなったか知ってる?」

「知ったこっちゃないですよ、こんなの。」

「全部君のためなんだよ。」

「えっ⁉」

「夏休みの一件、生徒会側にも、何もできずに、君に背負わせてしまった。これがせめてもの罪滅ぼし。だから、協力してねっ‼」

「もちろんですよ、佐伯先輩っ‼」

「フフっ、ありがとう、私の後輩っ‼」

こうして、俺はもう少しだけ、生徒会にかかわることになった。




_____________________________

(あとがき)

皆さんこんにちは、汐風 波沙です。

今日は、3回目の更新です。

今回は、生徒会役員が現在どうなっているのか、そして、今後の方針について書かせてもらいました。

書いている中で、冴河君はいつでも突込みに徹していたことがわかる描写を書いたのですが、気づいていただけましたか?

よかったら、作品のフォロー、レビュー、そして応援をいただけると幸いです。

今後とも、この作品、そして、自分の作っている作品をよろしくお願いします‼

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