第7話元カノは独占欲が激しかった。中
「今日は呼び出したりしてごめんね。」
夕日がまぶしいくらいの放課後の教室。僕は一人の女の子に呼び出されていた。
僕はこの子に告白されたらOKだすつもりだった。
学校で1,2を争う女子から、ラブレター貰ったらふつうそうなるだろ。
「いいよ。で、話って何かな。」
僕は少し緊張していた。このシュチュエーションで別のことだったら恥ずかしいにもほどがあるからだ。
「じ、実は、そ、そのー……。」
彼女は頬を赤く染めながら、もじもじしていた。そして深く息を吸って、
「わ、私と、つ、付き合って下さい‼」
やっぱりそうだよね。このシュチュエーションで違ってたらホントなんなんだよ‼ってなってるよね。しっかり答えなくちゃ。
「こ、こちらこそ、えっとー、そのー、よろしくお願いします‼」
そう答えると、彼女の顔が一気に緊張がほぐれて、自然と笑顔になっていた。
「よかったー。君が断ってたら今日は一晩泣いてたよ。」
「一晩中泣いてたら、きっと明日学校来れてないし、それに、……。」
「それに?」
僕としては、こんなかわいい子に告白されて、明日当たり死ぬんじゃないか。
そんなこと言えないな。
「いやなんでもない。じゃあ、帰ろうか。」
「うん。」
これが僕らの出会いだった。
「どうぞって言ってもあんたはこれで3回目だっけ?」
今の彼女はこの通りすっかり成長して大人っぽくなったけど、今でも少し可愛かったりする。少し見つめていると、頬を真っ赤にしながら、
「何してるの上がらないの。」
「ああ、悪い。昔のことを思い出してた。」
「それってー、……」
彼女は、にやにやしながら顔を近づけてきた。
「初キスそれとも、初体験?」
こいつ僕が恥ずかしがると知っていてこんなことしてるな。ここは冷静に行こう。
「いや、お前に告られた時のこと。」
というと、電熱線が熱くなるように顔が真っ赤になって、
「バカ‼そのことは忘れてって言ったのに‼」
結構強めに肩を殴られた。やっぱまだ可愛いなー
そんなこと本人の前では絶対に言えない。
「じゃあ、お邪魔するよ。」
「はい。」
そういって彼女の家にお邪魔した。
「まだかなー。」
僕は、「お茶とってくるから先に部屋言ってていいよ。」と言われたため、彼女の部屋にいた。あいつ、この部屋で前の彼氏とヤっていたのか。でも、僕のときは、僕の部屋でやったけど、あとで聞いてみようかな。
ガチャ
その音がして後ろを向くと、
「何か掘り出し物でもあった?」
とお茶の乗ったトレイを持ちながら、結衣はニヤニヤしていた。
「僕は何もさわってない。」
「ホントかなぁ?でも、……」
と少しあくどい笑みを浮かべながら、
「前の彼氏とは、ここではヤってないよ。」
そういうことは聞いてない。お茶貰う前に本人が自白してくれてよかったー。
「さっきは動揺したんだけどなー……。」
と言いながら僕の横に座った。
「あのー、結衣さん?」
「はい、結衣さんです。」
「この距離は近すぎませんかね。」
「この距離は普通だと思うよ。友達としての距離は。」
「そ、そうですか。」
「はい、そうですよ。」
彼女は笑顔で答え、その後は、
「「……」」
二人とも沈黙していた。
「あ、あのさ、」
そう切り出したのは結衣だった。
「覚えてる初めてこの部屋に来た時のこと。」
「ああ、まあ何となくだけど。」
そう答えると、
「ねえ、あの時みたいにキス、してみよっか?」
「ハアッ‼そんなこといきなり言われても、僕らはもうあの頃とは違うから。」
「そうだよね。あの頃とはもう違うよね。ならさ、……」
そういうと、僕は彼女からベッドに押し倒された。
「もう一度やり直さない?」
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