高貴んぎょ

高貴んぎょ

ねえ、人間サマ。

あたくしたち、そうやって覗かれるのが大嫌いなの。

そんなギョロギョロした目ン玉で覗かれることを想像してご覧なさいよ。

たまったもんじゃないわ。

ねえ、人間サマ。

そうやって囲いをたたかないでくださるかしら。

もううんざりなのよ。

驚くふりをしなきゃいけないあたくしたちの身にもなって頂きたいわ。

ねえ、人間サマ。

気まぐれでお食事をとらせてくれるなんて、いいご趣味よね。

おかげであたくしたち、ガリガリなんですのよ。

ねえ、お高くとまった偉大なる人間サマ。

そんなにあたくしたちがお好きなの？

小さいものを愛でるのは楽しいって？

勘違いなさらないことね。

鑑賞されているのはあなた方なのよ。

気付いていらっしゃらないようだけれど。

ねえ、人間サマ？