【41】求婚と牛と楠の木と①
昨晩の彼の喜び様を見て、内心断られたら
どうしようと不安に思っていた気持ちはどこかへと行き、自分から同棲したい!と言ったことに対しての恥ずかしさが芽生えていた。
今、隣で幸せそうな顔をして眠っている彼が
毎日隣にいる。それはとても幸せなことだなと思うが、長年お互いに一人で生活してきた二人が一緒に暮らす…。色々と考えないといけないことはありそうだ。
『稜さーん?そろそろ起きてくださいよ?』
布団をめくり、彼の頬をツンツンしてみる。
「…はるさ~ん?もう少し寝ようよ~?」
『稜さん?あなた昨日、道真に会いに行くって行ってましたけど行かなくていいの?』
「道真?…あ、そうだ!太宰府天満宮
行かなきゃいけないんだった!!」
本日の予定は、太宰府天満宮へと参拝して
博多のレンタカー店に車を乗り捨て返却し
二人で新幹線に乗り新大阪駅でお別れ。
後半日、思いっきり楽しむことにしよう。
『私、もう準備できましたけど
まだ待たせます??』
「姫!一分で支度しますのでご容赦を~!」
ホテルからはカーナビ予測では四十分ほどで【太宰府天満宮】へと行ける予定だ。
「はるさーん?準備はいいですか~?それでは、学問の神様の元へレッツラゴー♪」
『はーい。』
「もー、冷たいんだから!!さて、はるさん問題でございます。太宰府天満宮に祀られている学問の神様とは、一体誰のことでしょうか~?これはさすがに簡単か!」
『え?昨日から散々名前だしてますよね?
菅原道真でしょ?さすがに名前は知ってる!でもこの人って、何した人なんだろ?』
「はるさん、俺にそれ聞いちゃいます?
着くまで喋り続けるよ~?」
『聞き流すからどうぞ!!(笑)』
「もー♪菅原道真はさ、京都の人なんだけど小さい頃から神童と呼ばれるくらい頭よくてさ、しかも家柄もよかったから大きくなって政治の中心で活躍してたわけですよ!で、
晩年期に身近な人の裏切りにあって突然太宰府に左遷されちゃったんだって~。左遷されて太宰府で亡くなって、不思議なことが色々起こったからこの地に祀られたってわけです。ちゃんと、無実だったというのは証明されたから神様の位を与えられたんだね。」
『そうなんだ?あんまりよくわからないけど、出る杭は打たれるってやつだね~。』
「何か道真亡くなった後、怨霊になって現れたとか色々あるけどさ、本当かどうかはその当時の人にしかわからないことだけど、そんな昔からオバケとかいたと思ったら何か面白いよね♪」
『確か、陰陽師が菅原道真退治する映画か何かあったよね?あれ小さい時に見て、道真は悪者なんだ~?って思った気がする~。』
「あの映画では完璧に悪者でしたね(笑)
さて、そろそろ到着ですよ姫?もしかするとオバケくるかもしれないから拙者の手を決して離してはいけませんよ?」
『はいはーい。』
彼の中途半端な、戦国喋りはいつまで
続くのだろうか。
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