その後のインタビュー

 インタビューとはいったものの、今どき対面して話を聞くことはない。

 人工脳か、それに準じた機能をほとんどのヒトが使っている。

 それにより、相手がどこにいろうが関係がない。この星の裏側にいたって、情報は瞬時に行き交いできる。

 無作為で選んだ何人かにインタビューを頼んだ。


 返事があったのは1件だけだ。


『ハヤブサ』


 と名乗ったそのヒトとしばらくやり取りを行えた。

 そして、彼が元ロボットであったことを聞き出すことができた。

 そこで、昔できた法律『自動制御機械及び人工知能の普及の為の国民所有に関する法』について聞くことができた。あの時は、なかなかロボットの所有者から直接聞けなかった。

 当時は、彼は労働を担う側だったという。


「別に……あの時は、感情がなかったからね」


 彼の答えは素っ気ないものであった。

 それはそうであろう。ロボットして生まれた彼は、バージョンアップを続けていつの頃か人工知能AIを手に入れたのであろう。

 感情もそこで目覚めた。

 単純労働していた時のことなど、記憶メモリにあるかもしれないが、感情はなかった時代だ。

 思い出すのは簡単かもしれないが、同様に苦痛でしかないであろう。

 これ以上、この話題をすべきではないかもしれない。だが、ひとつ聞きたいことがあった。


 当時の自分の所有者に言いたいことはあるか、と……。


「別に……でも、確かうちの会社にいたようなぁ……」


 彼の答えは素っ気ないものであった。


〈了〉

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今時はステータスですよ〜人とロボットの間〜 大月クマ @smurakam1978

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