第25話 従者見習いと村の子供達

「なぁ、ラロ、サブリナ教えてほしいんだが魔力はどうやって測っているんだ」

俺は今まで気にかけていたが聞く機会がなかったので、良い機会なので聞いてみた。


「それは丸く測定器と言う水晶のような機械がありましてそれを使うと魔力量や属性といったものが調べることはできます」

ラロはそう簡単に教えてくれた


「我が領地にもありますよ。それ」

サブリナはそう言うと装置を持ってきてくれた。


「領主様についてはこの装置は触らせてはいけないとエリザベス様から伺っております」

早速触ろうとした俺を止めに入るラロだった。続けてサブリナが止めを刺すように俺に言った

「なんでも異世界から来た方は測定する装置を壊すのが定番だそうなので絶対に触らせるなとの厳命です」


「いやいや俺が使うんじゃないよ従士見習いやその兄弟たちに使わせてやりたいんだ。だってあいつら剣の練習ばっかりしてるけど、ひょっとしたら魔法の才能もあるかもしれないだろう」

俺は言い訳をするようにそう答えた


「領主様は知らないのですね。平民は属性魔法を使うことを禁止されています」

「使うことができるのは身体強化魔法と魔力操作と治癒魔法だけです。つまり外に出すタイプの魔法は使うことができません」

ラロは現在の法律に照らし合わせた魔法について説明してくれた


「幼いうちから教えていくのは魔力操作が上手くなるということでいいんだよな」


「ええ、それはもちろんです」


「小さいうちから教えていけば魔力操作が上手くなって狩りとか、あるいは敵が攻めてきた時に逃げやすくなったりするだろ」


「それはそうですが、普通は魔力操作などは一族の秘伝とする事が多くて、村で教えることは少ないですね」

ラロはそう言いながら領主の館で事務処理をしていた

「それじゃあ俺が教えるぶんには問題がないのか」

「それなら問題ないんじゃないでしょうか」

そうサブリナが書類を書きながら答えてくれた。


7歳前後ぐらいの子供までは俺が領主の館で魔力操作については教えて行くことにした。


集まった子供たちに俺がエリザベスから教わったように一人一人に魔力操作と魔力探知について説明していく。

「領主様できない」

「全然わかんない」

「領主様ってちっちゃいの」

「領主様は子供」

「お前なんて認めてやらない」

「俺の兄ちゃんを返せ」


彼らはとても幼い。7歳ぐらいまでは反抗期があったり、ぐずったり、子供がなかなか素直に動いてくれない時がある。物を教えて学校のようなものを作ろうと計画はしているが難航していた。教える人物もいなければ、教える施設もない。一時的に領主の館を使っているが、本来であれば学校が必要だ。基本的な素養が教えることができても魔法については教えることができない。彼らの未来を大きくすることは俺にはできないのだろうか。そんなことを一人悩みながら彼らに探知魔法を教えていく。


この時ふと気がついた。今までも戦は起こっていた。ではその時の避難先はどこだったのだろうか。領民の一部に聞いてみた。やはり今までも、避難先は領主の館であった。領主の館の一部に地下に逃れられる仕組みがあるようだ。その仕組みについて調べてみると、数名だが地下のシェルターのようなものに隠れるようにできてあった。ラロとサブリナと一緒にそのシェルターを見て子供たちは避難させるように検討していった。

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