第376話 百物語合宿~お題:化け物 中編~

気になってしまうと、無我夢中でいろんな人に聞き込みをしました。

今でも何であんなことをしたのか、本当にわかりません。


「誰からって・・・私は・・・。」


「私?私は・・・。」


「僕?僕も聞いただけさ。え?ああ。・・・だよ。」


「ふ、ふひ。じ、自分も聞いただけなんだなぁ。そ、その・・・に。」


聞けば聞くほどに、不可解なことに気づいたのです。

それは、みんな学校に関係している人からなのです。

隣のクラスや先輩、後輩に先生と言う人もいました。

けれど、スタート地点にはなかなかたどり着けません。

「おかしい・・・。」

「おかしいのはお前だろ。なんでそんなに気になるんだよ。」

「気になるだろ。怖い話でもあるならまだしも何もないんだぞ?なんなんだエントって。」

「どうでもいいだろ。てか、そんなに気になるならよぉ。」

友人は俺の腕を掴み、オカルト部に向かいました。

友人曰く、オカルト部の部長はエントに会う方法を知っているそうです。

「ほぉ。君たちもオカルトに興味が?」

「はい!あります!」

「俺はない。けど、釈然としないから。」

「エントのことかい?」

「・・・はい。」

「なら遭ってみるがいい。」

部長は一枚の紙をテーブルに起きました。

そこには、ゲームやアニメで見たような魔法陣?みたいなものが書いてあったんです。

「これは?」

「エントを呼ぶ儀式に使う物さ。最も、危険は知らないよ。」

手を伸ばしかけましたが、流石にそこまでは。

そう、俺は思ったのですが。

「マジですか!?ど、どうやって会えるんですか!?」

紙を友人が取ったのです。

「ふふっ。簡単だよ。その魔法陣に沢庵を置くんだ。そしてその紙を枕元に置くだけ。そのうち呼びに来るさ。」

部長はそれだけ言うと、部室から出て行きました。

「よしゃ!やってみようぜ!」

「いや俺は・・・。」

「何だよビビったのか?」

「じゃあ俺が・・・。」

紙を持ち帰った友人は、次の日に学校に来ませんでした。


教師は風邪と言いましたが、俺だけは違うとわかりました。

エントは実在する?そのことが頭の中を暴れていて、授業が入ってきませんでした。

「ふ~ん。そうか。彼は学校に来なかったんだね。」

「あの、何なんですか?エントって。先輩がこの学校に噂を流したんでしょ。」

「どうしてそう思うのかな?」

「みんな人から聞いたなのに、先輩だけ会えるって言ったから。」

「・・・ふひひ。」

先輩の、あの笑みだけは今でもハッキリと目に焼き付いています。

何を考えているのかわからない、悪意だけが伝わってくるあの笑みを。

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