第370話 百物語合宿~お題:犯罪 前編その2~

「わかりました。お話しします。」

信じよう。この人たちを!

「これは、ある盗撮趣味の男性が経験した怖い話です・・・。」

「「「・・・。」」」

うん、知ってたよ。

引かれることぐらいな!!

でも、もう腹くくったからな?

最後まで付き合えよ!?チクショウッ!!

あ、ここから先、微エロ・グロ注意かもしれません。


これは自分が高校生の頃の話しであります。

当時の自分は、誰から見ても陰キャオタクで、モテる要素どころか、同じ穴のむじなの人間しか友達ができない人間でした。

「グフフ。H殿、拙者せっしゃ素晴らしいゲームを購入しましてな。是非とも我が根城ねじろで一緒にプレイ、しませんか?」

「おぅふ。いいでありますなぁ。ですが、自分のハードルは相当に高い。それこそ山のように高いでありますぞ。覚悟はおありで?」

「グフフ。望む所存。」

けれど、イジメに会うことも無ければ、不良の要る学校でもない。

平和な日常を送れる平凡な幸せの中で生活をしていました。

そんな満たされた日々に、いつの日か満足のできない自分がいたのです。

「どうですかな?このゲーム。内容構成にはそこそこ目をつむってもらって。でも、なかなかに抜けるゲームでございましょう?」

「ふむぅ。」

友人が紹介するエロゲーに心が高揚としない自分が生まれていたのです。

「だ、ダメでございましたかな?」

「いや。」

けれど、それを友人に言えるわけもなく、ただただ自分を押し殺しました。

「とても素晴らしい作品でありますな。特にこのヒロインが主人公に跪いて・・・。」

エロゲーを第三者視点で評価する自分。

それを満足そうに聞きながら、誇らしげに笑う友人。

そんなことが、嫌になって、自殺しようと考えたこともありました。

そんなある日です。

「今日は何で抜いて寝るか。悩みますなぁ。」

ネットでアダルトビデオを探していた時です。

自分の目に、“盗撮”の二文字が止まったのです。

「・・・『実録!盗撮された妻たち』か。」

何故その時そんなことを思ってしまったのか、今でも良くはわかりません。

けれど、その時はそれが今の自分を変えてくれると、本気で思ってしまったのです。


『はぁはぁ。ふふっ。今日は、激しかったね。』

『ああ。今日の為に溜めてきたからな。何ならもう一戦・・・。』

『やだもう!』


「ふひひ。何も知らぬ猿共め。お前らの性行為は自分によって盗撮され、今日のオカズにされているとも知らずに・・・ふひひ。」

気がついた時、自分はラブホにカメラを仕掛け、盗撮を楽しんでいたのです。

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