第369話 百物語合宿~お題:犯罪 前編その1~
・・・え?何このお題?
「ん?どうしたんだい優君。手が震えているようだけど?」
そりゃあ手も震えますよ式子さん。
「あんたもしかして・・・」
柑奈さん、このお題はどうすれば・・・。
「ぷぷっ。自分が話せないお題が来て、露骨な時間稼ぎでもしてるつもりなの?」
「ははは。そんなわけないじゃないですか。」
いい笑顔だな!ハッ!このお題の意味がわからんのじゃ!
「ダメでありマスよ優殿。話せないお題ならばパスをしなければ、でありマスよ。」
「いや、少しだけ時間くださいよ。」
こ~のおっぱい魔人は!な~にを言っとるんじゃい!
話せないんじゃなくって何を話せばいいのかわからんっつうのよ!ねぇ!!
「優君。そのお題を教えてくれないか?開催者として、不適切なお題ならば変更するように指示してあげるから。」
式子さん・・・。
やはり女神様は式子さんだったんだなって、僕は思ったよ。
「あの、これなんですけど・・・。」
「ふむ。お題“犯罪”か。私のが当たったのだな。おめでとう。」
この時まではな!光速の前言撤回じゃ!!
な~にが女神様じゃ!悪魔じゃこの女!!
「は、犯罪って・・・あんたよくそんなもんお題にしたわね式子。」
まったくその通りですよ。
「範囲が広すぎではないでありマスか?」
ん?あれ?どういうこと?
「そうよ。怖い話なんて基本的に犯罪が多いじゃない。」
う、うそじゃろ?え?マジぃ?
「そうでありマスな。ポピュラーなところで不法侵入でありマスし。」
あ・・・。
「ふむ・・・。では、こうしよう。不法侵入はなし。それ以外の犯罪に関わるもので怖い話をする。では?どうかな優君。」
「えっと・・・。」
マジの犯罪ってことか。
それなら無くも無いんだけど・・・。
「あの・・・大変恐縮なんですが、一応そういう系統の怖い話も網羅してはいますが、話しにくいと言いますか。その・・・ねぇ?」
「気にすることはない。我々もある程度そういう系統には触れている。君の話を聞かせてくれないか?優君。」
「そうよ。あたしらだってこれから先のお題でそういうのがあるかもしんないけど、普通に話すわよ?」
「自分もでありマス。優殿がやったわけではないんでありマスから。気負わずに話して欲しいで、ありマスよ。」
「皆さん・・・。わかりました。話します。」
うん、そうだよな。
僕がやった犯罪の話しって訳じゃないし、てか犯罪なんてしてないし。
何より、こういう話はいつか必ず披露する日があるんだ。
千夏さんの言う通り、気負わずに話そう。
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