第229話 高校一年の一学期終業式

「え~皆さん、一学期ご苦労様でした。え~一年生の皆さんは初めての高校生活ということで慣れないことがたくさんあったかもしれません。ですが・・・。」

本日は高校の終業式。

皆が一同に体育館に集まり、校長先生の話や夏休みの諸注意などの話を聴き、教室に戻って見たくもない成績表を渡される日なのだ。

「高宮~。」

「はい。」

ま、僕の場合は小学校も中学校も変わらない平凡な成績。

今回の成績表だって・・・うん、誰から見てもオール平均男ですね。

「体育館で聴いたように、夏休みだからといって遊んでばかりはいられません。大学受験のスタートはもうとっくに始まっているんですから・・・。」

先生の簡単な話もすぐに終わったな。

「高宮。」

「なんだ高橋。」

相も変わらずチャラついているなお前は。

「やっべんだよ!成績が!ほら見てみ!」

う~ん・・・これはこれは・・・。

「残念なご様子で。」

「だろ?だから美雪が夏休み勉強を教えてくれんのよ。」

うん何こいつ?ブッ飛ばしていいのかな?

「んで!美雪の家に行くことになったんだけど、茶菓子何持ってけばいいんかな?持っていかないと向こうのご両親に最悪な印象を与えるよな?マジやべぇって!」

「お前の頭がお花畑でヤバいのはわかった。」

「なぁ、何がいいんだ?」

「知らんな。自分で考えろ高橋。」

「そこを何とか!俺たち親友だろ?」

たった今友情を崩壊させた君が言うのかね?

「頼むよ!高宮!」

「はぁ。わかったよ。」

「本当か!?」

「ああ。とにかく女性の意見があった方がいいと思うから式子さんに相談してみよう。」

「おお!なら俺も今日はオカ研の部室に行くわ。練習ねぇし。」

「じゃあ行くか。」

「おう!」

まったくしょうがないけど、高橋を見捨てることは出来んからな。

なんだかんだ言ってこいつは友達想いのいい奴だしな。

「ああ~向こうのご両親に気に入られたい。」

最も本人に自覚があると思われるリア充発言で敵を作ることが多いがな。


「式子さん。」

「やぁ優君。終業式も無事に終わり、いよいよ明日から夏休みだね。おや?高橋君も来たのかい?」

「ハイっす。お久しぶりっす式子さん。」

「久しぶりだね。今日はどうしたんだい?」

「実はっすね・・・。」


「ふむ。彼女の家に行くから何かお茶菓子を持っていきたいと。」

「そうっす。んで、なんかいい茶菓子知らないっすか?」

「う~ん・・・私もそういうことには余り詳しくないが、心が籠っているものならどれでもいいと思うよ。」

「あ~やっぱそうなっちゃうっすかね。」

「だが、もしお金に余裕があるなら駅前に行くがいい。最近人気のロールケーキは、私も食べたがとても美味しかったよ。」

「おお!流石は式子さん!それにするっす!」

どうやら高橋の問題は解決したようだな。

「では問題解決ということで、怖い話でもしようか。今回は私が話そう。」

おお!式子さんの話!

「もちろん高橋君も聞いていくね?」

「はいっす!」

どんな話をしてくれるんだろう?楽しみだ!

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