第119話 式子さんの怖い話~トイレの花子さん。前編~
「てな感じで、この学校の七不思議は色々と聞けましたよ式子さん。」
放課後、早速僕は今日聞いたこの学校の七不思議について式子さんに話をしてみた。
もしかしたら式子さんなら七つ目の怖い話を知っていると期待して。
「そうか。潤に会ったんだな。」
「ええ。」
「潤は気に入った奴にしか話しかけない気分屋だからな。きっと優君は気に入られたのだろう。」
そうだったのか!?ってことは高橋もなのか?
「最初は無言でメイドをやっていなかったかい?あれはカモフラージュなんだよ。芽衣にその人物との会話を任せ、自分は傍観する。気に入れば自分から話しかける。潤とはそういう奴なんだよ。」
「そうだったんですね。全然気づきませんでした。」
「ふふ。潤のカモフラージュは成功したということだな。」
「ですね。ところで式子さんはこの学校の七不思議の七つ目の怖い話を知っているんですか?」
「残念ながら私も知らないんだよ。色々調べたし、潤たちにも協力してもらったが見つからなかった。その後も個人的には探して見てはいるが、見つかっていないのが現状だね。」
「そうですか。ちょっとだけ残念ですね。」
でももしかしたら安楽川さんが言っていた『学校の七不思議を全て知ると呪われる』と、言うのがこの学校の七つ目の怖い話なのかもしれないな。
「盛り上がってるところ悪いんだけど、今日の話す内容はどうすんの?優にこの学校の七不思議を聞かせるって決めたのにさ。」
そう言えばそうだったな。
「ふむ。では、学校の七不思議として最もポピュラーな話し、『トイレの花子さん』について語ろうか。」
「いいわね!トイレの花子さんっていろんな話があるし!」
確かにそうだな。
ポピュラー故に数多くの話がトイレの花子さんには存在している。
亜種としても『トイレの太郎君』だとか、この学校の『トイレのお菊さん』のように幅広い。
式子さんがどんな話をするのか、楽しみだ。
「では、話そう。トイレの花子さんについて・・・。」
「やばっ!すっかり遅くなっちゃった!」
中学三年生のAさんは、生徒会の引継ぎなどの仕事で遅くなり、教室へ戻った時にはすっかり陽が沈んでいた。
「早く帰ろっと。」
教室にはAさんしかおらず、他には誰もいません。
普段はうるさいぐらい賑やかな学校も、今では鳥の鳴き声すら聞こえない不気味な雰囲気を見せている。
「よし!忘れ物は無し!」
急いで帰ろうと思ったAさんは鍵を職員室に戻し、下駄箱に向かいましたが急にトイレに行きたくなりました。
「う~ん学校から家までは遠いし、トイレによってから帰ろう。」
靴を戻し、Aさんは近くのトイレに入りました。
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