第73話 尾口先生の怖い話~ベットの下には・・・後編~
「もうそろそろ遅いし寝ましょうか?」
「そうだね~。あ!そう言えばA子!」
「何よ?」
「今日は視線を感じないの?」
「あれ?そう言えば・・・感じない、かも?」
「じゃあやっぱり気のせいだったんだよ。」
「そうかも?」
「良かったわねA子ちゃん。」
「・・・うん。二人ともありがとう。」
「じゃあ寝よっか。」
「あ、でもベットは二人までしか・・・。」
「じゃあさ、あたしが床で寝るよ。」
「いいの?」
「うん!だってA子は家主だし、C子はお嬢様っぽいでしょ?なら床で寝ることになれてるあたしが適任だよ~。」
「あ、じゃあ・・・。」
流石に床で眠らせるのは悪いと思ったA子は座布団を使って簡易的な布団を作りました。
布団に喜んだB子が横になると、すぐさま立ち上がりました。
「あ~寝る前にさ、コンビニ行かない?」
「何でよ?」
「いや~あたしさ、朝はコーヒー派なんだよね~。」
「コーヒー?確かに家には無いけど。」
「でしょ!じゃあさ、今から買いに行かない?朝買いに行くだるいし、ね!」
「え~!もう深夜だよ?」
「お願い!」
妙にコンビニ行きたがるB子に渋々と頷くA子。
二人で行こうとすると、B子はC子も誘う。
なら自分は行かなくてもいいじゃんとA子は言ったが、B子はどうしても三人で行きたいと駄々をこねる。
「はぁ。わかったよ三人で行こう。C子もいいよね?」
「ふふっ。夜のコンビニなんて初めてよ。」
「よーし!じゃあ行こう!今すぐ行こう!」
強引気味にA子たちを引っ張るB子。
部屋から出て近くのコンビニに行くと、B子の顔は真っ青であった。
「え!?B子どうしたの!?」
「A子、警察に電話。」
「何でよ!?それよりも救急車・・・。」
「いいから!」
B子の鬼気迫る様子にC子がそっと抱きしめる。
「B子ちゃん、理由を教えてちょうだい。」
「・・・ベットの下に、男がいた。」
「それからすぐに警察に電話したけど男は見つからず、A子は一人暮らしをやめたそうだよ。」
尾口先生は息を吐き、いつもの笑顔に戻る。
「どうだったかな?」
「すごくゾクゾクしました!結局視線は男のものだったんですね!」
「ははは。そうかもしれないね。まぁ僕も聞いた話だからどうなったかまでは知らないけどね。」
「結局のところ生きていたのか、それとも幽霊だったのか。うん!ますます怖いですね!ね!柑奈さん!」
「・・・。」
あれ?柑奈さん顔色悪いような・・・。
「もう、絶対に一人暮らしなんて考えない・・・。」
柑奈さんのつぶやきが耳に入った僕は素直に心の中で謝罪した。
喜々として尾口先生の話を聞いてごめんなさい。
うん、女性にとっては怖いもんね。
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