第72話 尾口先生の怖い話~ベットの下には・・・中編~
「う~ん。特に反応はないわね。」
「そうですか?」
「ええ。だからこの部屋には盗聴器も盗撮用のカメラも無いと思うわ。」
婦警の言葉を聞いたA子は安堵しました。
だが、また少ししてA子は寝室で視線を感じたのだ。
「やっぱりなんか感じるんだよなぁ。」
けれど当たり前のように寝室にはA子以外、誰もいません。
「はぁ。どうすればいいんだろう。」
ベットに横になってA子は考えましたが、睡魔に勝てずに眠りにつきました。
「ねぇねぇA子!何で先週休んだの?」
「そうよA子ちゃん。」
人懐っこいB子と大人びたC子がA子のことを心配してくれました。
「う~ん。」
「なんかあったの?」
「悩み事なら相談に乗るわよA子ちゃん。」
「変なことだけど、それでも聞いてくれる?」
「もちろんだよ!」
「A子ちゃんの悩みを解決できるように頑張るわよ。」
快く承諾してくれた二人にA子は自分が感じていることを話してみました。
「それって盗撮されてんじゃないの!?」
「でも、警察はカメラとかそういうのは無いって。」
「でも視線は感じるのよね?A子ちゃん、こんなこと言いたくないのだけれど、事故物件ということはないかしら?」
「それも無いと思う。お父さんと一緒に選んだ時もお父さんがしっかりと聞いてくれたし。」
「そうよね~。」
「あれ?けどこれって変じゃない?」
「え?何が?」
「だってA子が視線を感じているのは毎日じゃないよね?」
「そう言われれば・・・日曜日だけかも?」
「でしょ?何で日曜日だけなのかな?」
「う~ん。」
B子に指摘された通り、視線を感じているのは日曜日だけである。
けれど理由はわからない。
A子自身に日曜日に何か思入れがあるかと言われても無いし、マンションの隣人に話を聞いても事件らしいことは何もない。
だけど視線は感じる。
「ねぇねぇA子!今度の日曜日、泊まりに行ってもいい?」
「え!?」
「そうねぇ。A子ちゃんのことも心配だし、私たちでも実際に部屋を見てみれば何か分かるかもしれないわ。」
「ねぇ~お願いA子!」
「けど、いいの?危ないかもしれないよ?」
「全然問題ないよ!それよりもA子が心配だもん!」
「B子・・・。」
「そうよA子ちゃん。私たちはお友達だもの。困っていたら助け合いよ。」
「C子・・・。二人ともありがとう。」
それから少しして日曜日の夜、昼間は三人で遊び、夜は夜で大学生活の話に花を咲かせていた。
「えー!じゃあ二人とも彼氏いたことないの!?」
「何よ?悪いっての?」
「いや~A子はともかくC子は以外で。」
「ちょっと!どういう意味よ!」
「え?そのままの意味だけど?」
「こんにゃろ!」
じゃれ合う二人を優しく見守るC子。
時間は深夜に回ろうとしていた。
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